アメリカの著名な大学の一つ、スタンフォード大学の正式名称は、リーランド・スタンフォード・ジュニア大学です。著名人の名前を冠したのではなく、16歳になる前に病気で亡くなった、スタンフォード夫妻の息子の名前です。スタンフォード夫妻は、一人息子の死に打ちひしがれましたが、「これからカリフォルニアの子どもたちは、皆、自分の子どもたちとなる」との思いで、息子の名を冠した大学を創りました。
1891年、大学創設式で、ジェーン夫人は最初のスピーチをしました。感無量のあまり、途中でスピーチができないほどでしたが、次のように残されています。
「あなたがたの人生が真に誠実なものであることを願います。それは偉大な富や名声を得るために邁進するという意味ではなく、良心的な働き者であり、他者を助け、励ましを必要としている人々のために生きる……」。
その後、スタンフォード大学は幾多の試練に遭遇しましたが、今日も世界最高峰の学舎となっています。ご夫妻の「人生、何のために生きるのか」の理念は、聖書の真髄である「神の愛を基として生きること」が土台となっています。息子さんの死は、まさに、イエス・キリストの十字架の死を深く意味していることは、すでにおわかりの通りです。