寒い冬が去り、春が訪れると、教会には冬のコートの忘れ物が残されます。春の喜びの中に生きていると、冬があったことさえ忘れてしまい、何も気にならずに過ごしている...。心の傷の癒しとは、きっとこのようなものなのかもしれません。
詩篇 147 篇の背景には、バビロン捕囚からの解放と、その後の城壁再建の完成という大きな喜びがあります。エルサレムをぐるりと囲む城壁が完成し、外敵の侵入を防ぐ備えが整えられました。詩篇 147 篇には、神のうちにある安心が、具体的現実として示されています。
詩篇の記者は、過去のさまざまな苦難を、むしろ懐かしく思い返しながら、「主は心の打ち砕かれた者をいやし、その傷を包まれる」(詩篇 147:3)と記し、今の自分の心が癒されていることを実感しています。
神がなぜ人間に苦難を与えられるのかには、さまざまな理由がありますが、どれほど祈っても取り除かれない苦難もあります。また、苦難が過ぎ去っても、「なぜあのような苦労をしなければならなかったのか」と理解できずに残るものもあります。それでも聖書は、「主は心の打ち砕かれた者をいやし、その傷を包まれる」と語っています。神がそのみ言葉通りに、私たちの心に確かに癒しを与えてくださることは、揺るがない真実です。
今週も、癒しの日が必ず訪れると信じて、今日なすべきことに心を込めて取り組んでまいりましょう。