著名なフランスの映画監督、フランソワ・トリュフォーがイタリアを訪ねた時、記者から「あなたはカトリック信者ですね。本山があるイタリアに、なぜ、これほど多くのスリや泥棒がいるのでしょうか」と問われました。トリュフォー氏は「映画ではなく、絵の場合でお話ししましょう。光を表現する時はどのように描きますか」。聞かれた記者は「光を表すには影を描きます」。そこでトリュフォー氏は「そうです。影があるのは光があるからです」と答えました。
人生で影のように思えるものの背後に、必ず光があります。光と影、これは相反する別のものではなく、一つの世界であり、影を集めて光が生まれるのではなく、光が影をもたらすのです。強い陽ざしがあるからこそ木陰ができ、そこで人々が憩えるのです。
光と影。それは、二つのものではなく一つの世界、一元の世界です。困難や苦難があるということは、同時に、希望や救いがあるということに他なりません。
今週も、あなたの生活の中でこの一元をしっかりと見出し、味わい、他者に伝えましょう。
「あなたには、やみも暗くはなく、夜も昼のように輝きます。あなたには、やみも光も異なることはありません。」(詩篇139:12)