神の国の原理(5月12日)

永遠の天国での生活を基準にし、その過程としてほんの一時期だけ地上の生涯を歩むのだ、とクリスチャンは考えます。すると、「この世のみ」、「死んだら終わり。後は無い」と考える人たちとは、意見も行動も異なってきます。

 マザー・テレサは、炊き出しをするシスターたちに必ず3つのことを実行するように諭していたそうです。

 「パンとスープボウルを渡す時には、相手の目を見て、ほほえむこと。手に触れて、ぬくもりを伝えること。そして短い言葉がけをするという三つです。それは、ロボットにはできない、人間の、他の人間に対する愛と祈りの表現です。」(『面倒だから、しよう』渡辺和子著)。

 効率を考えれば、最小のコストで栄養豊富な食物を備え、最短時間で最大人数に与える方法が正解だと思われます。しかし、人間を神が造られた最も崇高な存在とする神の国の原理は、それとは異なります。人は神の子の命を犠牲にしてでも惜しくない尊い存在。その考えに基づいて行動するとき、なんと非効率的な生き方だと批判されるかも知れません。しかし、愛とは手間暇をかけた非効率的なものです。

 何のためにそのことをするのか。神の国を仰ぎながら、今週も地上の生涯を歩んで参りましょう。

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