達成感や充実感は空腹を忘れさせます。この状態の時、私たちはさらに人々の要求に答えようとしがちですが、実は危険な状態です。成功した直後は、意識して人を避け、寂しい所で休むことが必須なのです。
キリストの弟子たちも空腹感を忘れて働いた時がありました。それは二人組で伝道に遣わされ、伝道が成功し、その報告を携えて戻って来た時です。ところが、イエス様は喜ぶどころか、「さあ、あなたがたは、人を避けて寂しい所へ行って、しばらく休むがよい」(マルコ6:31)と、彼らに今のこの状況から退避するように命ぜられました。「それは、出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったから」(マルコ6:31)です。
伝道の成果が現れた時、私たちは、「福音を受け入れた人々に感謝され喜ばれた自分は、それに値しない者である」と思うべきなのです。これは否定的・悲観的見方ではなく、神のしもべとして神が私を用いてくださったのだという自覚です。つまり、自分の力で達成したのではなく、神のあわれみと恵みによってこのことがなされたのだという第三者的感覚です。成功・失敗云々ではなく、この私が神に覚えられ、神の働きにご一緒させていただいた、という意識を持つことがポイントです。
うまく行き、賞賛を浴びる時こそ、この世から退いて、神と共に過ごす時間を持ってまいりましょう。