聖書の読み方(7月20日)

推理小説では、最後に名探偵が理詰めで謎を解き、読者は爽快な気持ちになります。さて、もう一度最初から読み直してみると、作者が随所にヒントを散りばめていたことに気づかされます。難しいとされる旧約聖書を読むとき、先に新約聖書を読むのは、これと似た理由によります。

イエス・キリストはこう言われました。「あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたしについてあかしをするものである」(ヨハネ5:39)。ここで言う聖書とは旧約聖書のことです。ですから旧約聖書を読む際には、その前に新約聖書を読み、キリストの教え、十字架、そして復活という救いの光をもって読むことが必要です。これがキリスト中心の読み方です。

まず福音書を読み、イエス・キリストが何を言い、どんなことを成したかを知り、この方がいかなる御方であるかを理解することが聖書全体に通ずるための第一歩です。すると、推理小説を二度目に読むときのように、救いが完成した後の地点から、かつての未完成の時代を見るので、旧約時代の人間の生き方にある欠点や美点も、より深く納得できるようになります。

新約の光を当てて旧約を読み、旧約の土台の上で新約を理解することが、聖書を読むときの理想的な読み方です。キリストを中心に置いて聖書を読む日々を続けて参りましょう。

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