神の奇跡の動機は「あわれみ」です。4000 人の給食の奇跡の直前、イエス様は、「この群衆がかわいそうである」(マルコ 8:2)と、深いあわれみを示されました。神のあわれみは、そちらこちらに落ちていますが、それを拾い上げられるのは、謙遜に身をかがめる人だけです。
H兄は 30 歳で独立し、事業を始められました。奥様のお父さんは商売をなさった苦労人です。何も無いところから始める彼に、いきなりポンと資金援助をしては、世の中を甘く見る傲慢な経営者にさせるかもしれません。かと言って突き放すのでもなく、先に商売の苦労を味わった先輩ならではのアドバイスをなさいました。
「ワイシャツの裏についている厚紙で名刺を作りなさい」
H兄は素直にこのアドバイスに従い、サインペンで書いた手書きの名刺を作り、これを持ってあちらこちらを訪ね歩きました。素朴な手作りの名刺は、彼の純朴な性格をそのまま表すものとなり、お客様から別のお客様へと人脈がつながり、仕事がいただけるようになりました。厳しさを伴ったお義父さんの愛情もさすがですが、それを感謝して受けとめたH兄の謙遜もまた見事です。
今週も、神のあわれみから与えられる命のパンを、謙遜に身をかがめて受け取ってまいりましょう。
