映画界の巨匠、黒澤明監督はタレントの所ジョージさんが大のお気に入りで、撮影の休憩中に彼をそばに呼び、「いいかい、所くん、冬のシーンは夏に、夏のシーンは冬に撮るんだよ」と頼みもしないのに教えてくれたそうです。所さんが「なんでですか?」と問うと、監督はこう言いました。「冬には夏を、夏には冬をスタッフが一生懸命表現しようとする。そうじゃないとお客さんに伝わらない」。まさしく名言です。闇の中だからこそ光の存在が一層意識されるのです。
キリストの福音が身にしみてわかるのは、人生の闇の時です。闇が深ければ深いほど、光はさらにまばゆく感じられます。全人類の罪に対して向けられた神の怒りが全て注ぎ込まれたのが十字架です。私たち人間が犯した罪の支払いは、二千年前のキリストの十字架で全て支払われました。そして、その事実を信じる者にとって、死はもはや決定的な意味を持たなくなりました。この光の中を歩ませていただく人生こそ平安に満ちた人生です。光のまぶしさを味わうために、神はあえて人生の闇の時を備え、そこを人に通らせられるのかも知れません。
全て私たちの周りで起こっていることは、神の愛ゆえに起きていることです。闇さえも、神が備えたもう十字架の恵みにたどり着くための手段であることに目を開いて参りましょう。
