2001年11月の霊想

  三大病の予防法  (11月4日)

先日、ある企業の管理職の方にお目にかかりました。長年の素晴らしい業績で知られるその方に、成功の秘密を伺ったところ、「ある程度の年齢に達し、役職に就くとかかる、『甘え』『おごり』『マンネリ』の三つの病気を克服することです」と教えてくださいました。
私たちの信仰生活も同じことが言えます。
信仰生活が長くなると、つい甘え、他人や状況に頼りがちになります。気がつくと、信仰の筋肉が弱くなっていることがあるものです。
時を経るとおごりが生まれます。最初は「させていただいている」と思いつつも、やがて「自分がしてやっている」と思いがちです。みな神様のおかげなのに、自分の力であるかのように錯覚してしまうからです。
そうすると、第三のマンネリ病に、着実に進みます。
すなわち、感動がなく、発展性のない日々を送ることになります。
これらの病にかからないコツは、早く発見し、なおしていくに限ります。そのためには、いつも初心に返り、み言葉と祈りに厚みを加えることに他なりません。
「あなたは初めの愛から離れてしまった。そこで、あなたはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初めのわざを行いなさい。」(黙示録2・4~5)

  主役はあなた (11月11日)

物事がうまく進まない時、「まわりの人が反対するものですから」とおっしゃる方がおられます。きっと、賢明なあなたは、「まわりの人が反対するということは、反対をすれば、あなたの考えや行動を変えることができる、という期待を相手に抱かせているからだ」とお気づきでしょう。
「いくら反対してもダメだよ。あの人は自分の信ずるところを貫き通す人だから」と、まわりに強い確かな評価を与えてしまえば、「反対するだけムダだ」と相手の人が思われることでしょう。
物事が順調に進まないときに、私たちは、時として、まわりや状況のせいにしがちです。
人生の主役はあなたご自身であり、『自分丸』の船長として、今週も、進むべき方向にしっかりと舵をとっていきたいものです。
確かさや幸せがまわりや環境にあると思う人は、つい甘えがちになり、しっかり人生の舵を取ることに不安を感じるものです。幸せは自分持ちです。あなたの船の船主である神様は、あなたが、託された『自分丸』の船長として、今週もしっかり神様と直結しながら歩むことを願っておられます。そこにのみ、人生の確かさがあるからです。

  真の自由とは  (11月18日)

現代人が最も大切にするものは『個人』です。個人第一の思想から命・健康・長生きの価値が、また、個性・自立・自主性・個室の価値が高くなりました。個人の土台となるものは戦後の『自由と平等』という思想です。
しかし、このすばらしい考え方も、創造主なる神にある自分を見いださないと、結果的にはわがままとなり、世の中が混乱し、退廃していくことになります。
日本・米国・中国の高校生の規範意識調査によると、「先生に反抗することは、本人の自由でよい」と回答した割合は、日本の高校生は77%、米国・中国の高校生は15~18%でした。また「親に反抗することは、本人の自由でよい」と回答した割合は、日本の高校生が85%、米国・中国は15%前後でした。
この数字を見て驚く人と、納得なさる方がおられるかもしません。真の自由は、自分の好きなようにすることではなく、真理にあって自由を生きること、すなわち、神と共にある人生を指します。真の自由を、しっかりと自らのものとし、生活の中でその香りを放って歩みたいものです。
これからは、自立・責任の時代と言われます。神と共に歩む日々、具体的には、み言葉に養われる日々を、今週も確かにしてまいりましょう。

  比べない  急がない  休まない  (11月25日)

良き信仰を育てるコツは三つです。
まず第一に、比べないことです。神様を見ないで人を見て、劣等感に陥ったり、優越感の世界に入ると、健全な信仰が育たないばかりか、持っている本来の良さまでも失うことになります。右にも左にも曲がらず、まっすぐ天を見上げて進むことです。
第二のポイントは、急がないことです。私たちは、自信がない時、つい、急ぎたくなったり、早く成長したいと願うものです。しかし、過ぎ去った過去でも、まだ来ない未来でもなく、今、この時をしっかり生きる人は、急ぐ必要がありません。今、このところが最もすばらしい、恵みの時だからです。
第三のポイントは、休まないことです。急がないことが、ついひと休みとなり、怠惰になりがちです。このような傾向は、人間の特徴です。休息をとることは必要です。しかし、つい安易な方法に、怠惰な方向になりがちです。主にあって、与えられた今を全力で生きることです。
今週も「自分の人生は、主にあっていのち与えられ、神の栄光を表すための人生」と目的を明確にしながら、この三つの穴に陥らないよう、心して前進してまいりましょう。

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