2003年11月の霊想

  幸 せ と は (11月2日)

 「中高年、危機の時代」と言われます。時代と人生という二つの転換期を同時に迎えているからです。かつて経済的繁栄を支えた彼らの価値観が、今大きく揺らぎ、心の危機に直面しているのです。自分の追い求めてきたものは一体何か、これまでの人生は何だったのか、今どこにいてどこに進むべきか、という問いを抱えて生きているのです。毎年、交通事故で亡くなる方の三倍以上の人が自ら命を絶ち、その中でも中高年の男性が七割を占めます。生きてきた年数の経験とプライドが一気に崩される時、もろさを露呈するのもこの中高年と言えます。
 あなた自身が中高年かもしれませんし、中高年の方と共に生活していらっしゃる方もおられるでしょう。中高年への答えはただ一つ、このような危機こそチャンスであるということです。「危機」は、「危険」であると同時に「機会、チャンス」に恵まれていることを示しています。すなわち、神と出会う機会に他なりません。
 教会員のAさんは、忠実で働き者のお父さんの会社が倒産する、という出来事に遭遇しました。しかし、倒産を通して、信仰に全く関心を持たなかったお父さんがAさんの信仰に触れ、霊の目が開かれたのです。
 中高年は神様と出会う最短距離にいる人々です。

  豊かな人生を生きるコツ (11月9日)

 「豊かな人生のコツ」を、頭で覚えたり、なんとなくそのムードを味わうことも良いことです。しかし、最も大切なことは、その生き方を、体で覚えて、習慣化することです。
 親が子供に歯を磨く習慣をつけさせようとします。当初、子供は嫌がることが多いものです。しかし、そのつらさを乗り越えて歯磨きが習慣化すると、磨かないと気持ちが悪く、寝ぼけ眼でも磨くようになるものです。
 第58代横綱、千代の富士は、右肩の強さに自信がありました。ところが、まだ前頭八枚目の時に右肩を脱臼。
  「相撲人生の終わりか」と思われました。
 千代の富士は復帰に賭け、医師から勧められた可能性の一つ、弱い肩の弱い部分に筋肉をつけて強くする道を選択しました。その特効薬として与えられたものは「腕立て伏せを一日五百回」というものでした。それも短期間、半年続ければ良いと。
 これが至難の業でした。しかし、根気強くやり続け、腕立て伏せ五百回をやらずにはおれない習慣がつき、歴史に残る名横綱となられたのです。  あなたは、毎日の生活の中で、どのような習慣を身につけておられますか。祈り癖、聖書を読む癖など、心してまいりましょう。

  そうして、神様は… (11月16日)

   「蜂と神さま」
  蜂はお花のなかに
  お花はお庭のなかに
  お庭は土塀のなかに
  土塀は町のなかに
  町は日本のなかに
  日本は世界のなかに
  世界は神さまのなかに

  さうして、さうして、神さまは
  小ちゃな蜂のなかに。 (金子みすゞ)

 右の詩は、小さな自分の存在が、永遠の命である神様とどのようにつながるのか―ということを、実に見事 に語り、私たちに希望を与えます。
 キリストは、小さな蜂も、そしておまけのようなすずめでさえも、しっかり覚えておられます。さらに、宇宙 が創造される前からあなたを覚え、そのたなごころにあなたの名を刻み、どんな時も共におられ、慰めと励まし を語っておられます。その愛を生活の中で味わい、心の筋肉が強くされ、どのような出来事に対しても、勝ち得 て余りある対処ができる者とさせていただきましょう。

  人生のABC (11月23日)

 米沢名物はABC、A(Apple・りんご)、B(Beef・牛肉)、C(Carp・鯉)、と紹介します。次に紹介するABCはだれにでも共通する、大切な人生の基本です。
 A(Action・行動)。ある人が健康維持にダンベルがほしいと話したところ、誕生日に6組のダンベルが送られてきたそうです。一年後、贈り主がその結果を期待したところ、一度も用いたことがないと聞き、がっかりすると共にびっくりしました。この話は他人事ではない気がしますね。何事も日々の実践が肝要です。
 B(Belief・信念)。過去、現在がどうであろうと、未来を思い描き、希望に生きることです。神様が人間に与えた唯一で最高の贈り物は、未来を思い描く能力です。
なかなか行動に移らないのは、ジッとしておれないほどの夢を描かないからです。夢を祈り求め、あなたの明日に良き夢・幻を得ていきたいものです。
 C(Clarity・明示)。希望があり、活動が勢いづいても方向性、目標が大切です。例えば、「祈り、聖書を読むことが必要」と示された時に具体的な目標を立てます。
「一日一章、起きた時に読もう」、「就寝前に三〇分を祈りとみ言葉のために費やそう」など、具体的な目標を明示なさることです。
 「ABC」は「初歩」という意味でもあります。人生の基本、初歩をしっかりと身につけてまいりましょう。

  人気の鍵 (11月30日)

 つぶれかけていた割烹店が、今では人気のお店になって久しい。その策はただ一つ、来店されたお客様を克明に調べ、よく召し上がる物、残される物を記録し、お客様の好みを覚えて、好きな物を中心に出すように心がけたのです。
 「あそこの店はおいしい」という評判は、自分の好きな物が、バランス良く、自分にあった分量で出るところから生まれます。好きな物ばかりですから、人はみな、「おいしい」と思うのです。
 この事例はすべての生き方に共通します。すなわち、相手の気持ちを慮り、必要な行動を適切に行うことが鍵です。そして、まず、あなたが慮ってもらう、そのような体験をなさることです。
 イエス様が来られる前、旧約聖書の時代は、「こうあらねばならぬ」という物差しに合わせる生き方でした。
しかし、イエス・キリストはその目盛りを取り除き、私たちのただ中に来て、あるがままを受け入れ、必要に応えてくださいます。この方と共に歩む時、ねばならぬ人生から、そうせずにはおれない、したくてたまらないという人生観に変わるのです。
 今週も、イエス・キリストの愛を体験し、さらに人々へ伝える者として歩んでまいりましょう。

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