2007年8月の霊想
根を養う (8月5日)
スポーツの世界に限らず、すべての分野で、基礎体力や基本のないところに、応用ワザは生まれません。この当たり前のことが理解されないことが多くあります。
「早く結果を出したい」「早く舞台に上がりたい」とばかり願いがちです。しかし、花は枝に咲き、枝は幹に支えられ、幹は目に見えない根に支えられています。見えない根に関心を持ち、根を深く張り、強靱にすることが、すべてにおいて良き結果をもたらします。
現代はあまりにも結果を急ぎすぎるため、根が弱く、時には、枝に花だけがあって根がない場合もあります。それでは、当然、枯れることになります。
仮に、今年は花が咲かず、実を結ばなくても、根があれば命がありますから、やがて、実を結ぶ時が来ることを期待できます。
今週も、根を養う、すなわち、み言葉をしっかり味わい、神様との交わりであるディボーションを強化してまいりましょう。それが、あなたの明日を確かなものにするからです。
「木には望みがある。たとい切られてもまた芽をだし、その
若枝は絶えることがない。たといその根が地の中に老い、
その幹が土の中に枯れても、なお水の潤いにあえば芽を
ふき、若木のように枝を出す」(ヨブ14・7~9) |
人生の質 (8月12日)
人は誰でも、元気で長生きを願いますし、そのためにあらゆる限りの努力を、惜しみなく費やすものです。
しかし、あなたのまわりで、若くして地上の生涯を終えなくてはならない人がおられたら、どのようにその人に慰めを語りますか。
「人生は長さではなく、その質の確かさ、豊かさである」とおっしゃるのではないでしょうか。
『雨ニモマケズ』を書いた宮沢賢治は37歳、『たけくらべ』の著者、樋口一葉は24歳、童話『手袋を買いに』で知られる新美南吉は30歳と、およそ今日の平均年令をはるかに下回る人生でしたが、数々の名作を残されました。
人生をどのように生きるか、その質、「クォリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)」こそ、日々、私たちの生活で思索し続けても終わりのない、無限の世界です。
今週も、あなたならではの人生を生き、その中で、自らの人生の質を問いつつ、心したいものです。
「だから、愛する兄弟たちよ。堅く立って動かされず、いつも全力
を注いで主のわざに励みなさい。主にあっては、あなたがたの
労苦がむだになることはないと、あなたがたは知っているから
である」 (Ⅰコリント15・58) |
価値観の転換 (8月19日)
日本の若者について文部科学省から次のような調査結果が発表されました。
「自分は価値のある人間である」
日本8・8%、アメリカ51・8%、中国49・3%
「自分にだいたい満足している」
日本9・4%、アメリカ53・5%、中国24・3%
国民性の違いなどの要因もありますが、日本の若者たちの自分に対する感じ方を思う時、未来に対して不安を感じる方が多くおられるのではないでしょうか。
なぜこのように自信がないのか―それは人と比較しながら生きるから。すなわち、「損得」や「快・不快」で人生を計ることなどに起因するようです。
現代は価値観の転換が必要です。「人は、できてもできなくても、そこに存在するだけですばらしい」というメッセージを、大人である私たち自らが生き、手本となる時に、日本の未来が開かれていくのです。
「……あなたの神、主は……あなたを選んで、自分の宝の民
とされた。主があなたがたを愛し、あなたがたを選ばれたのは
、あなたがたがどの国民よりも数が多かったからではない。
あなたがたはよろずの民のうち、もっとも数の少ないものであ
った。ただ主があなたがたを愛し、……あがない出されたので
ある」(申命記7・6~8) |
生きがい療法 (8月26日)
心理療法の一つに『生きがい療法』というものがあります。それは精神の働きを利用して病気の治療効果を高めよう、というものです。人は必ず年をとり、病気になることもあります。そのような私たちに、『生きがい療法』の3つの姿勢は、充実した人生の大きなヒントをもたらします。
1 ただ生きようと思うのでなく、自分が自分の主
治医になったつもりで病気をしっかりとらえ、
前向きな姿勢で生きること。
2 今日一日の生きる具体的な目標を自覚し、全力
投球すること。
3 人のためになることをすること。
特に、3番目を心にとめたいものです。
自分に試練が降りかかると自己中心になりがちです。しかしそのような時にこそ、自分のためにではなく「他者のために」と生きることが、肉体的にも精神的にも、新たな活力を得る秘訣のようです。
「よくよくあなたがたに言っておく。一粒の麦が地に落
ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。し
かし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる」
(ヨハネ12・24) |
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