2017年3月の霊想

  何のために生きるのか(3月5日)

 日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長)は、昨年10月4日で105歳を迎えました。今でも「105歳の私からのメッセージ」と題して全国で講演をしておられます。
その講演の中で特に印象深いことは、「私は50代の頃、日本の歴史上初のハイジャック事件に巻き込まれ、それこそ命の存亡をかけ、ギリギリの厳しい状況に追い込まれました。あの経験を契機に私の人生観は変わりました。『この生かされた命を、これからは誰かのために使おう。誰かの役に立つ、人のために尽くす人生にしよう』と考えたのです」と語られたことです。
「長生きをする」ということは、単に時間的に長く生きるということだけではありません。多くの年を重ねても前向きな気持ちを持ち続け、与えられている命を感謝し、神と人のために用いることです。
一度の人生、豊かな人生を歩んでまいりましょう。

わたしは、あなたがたもこのように働いて、弱い者を助けなければならないこと、また「受けるよりは与える方が、さいわいである」と言われた主イエスの言葉を記憶しているべきことを、万事について教え示したのである。
(使徒行伝20・35)

   神様はどのような方?(3月12日)

 「神様はどのような方ですか」と問われたら、あなたは何と答えますか。
クリスチャンは神様を「天のお父様」と呼びますから、時に、地上の父親を連想することがあります。それゆえ場合によっては『天国の警察官』のような概念を持ち、「叱られる、裁かれる」という思いを強く持つ方もおられるでしょう。確かに、神様は様々な側面を持っていらっしゃいます。しかし、その本質は、あなたを大切にする「愛」であることをしっかり心に留めたいものです。
「それはどのようにしてわかるのですか」と問われたら、次のように答えることもできます。
私たちが命与えられ、生かされていること、これは神の愛の証明です。なぜなら、一人のいのちの存在は偶然からは生まれないという事実があるからです。遺伝子の権威者、村上和雄博士は「遺伝子は塩基(ATCG)でできているが、この4文字を人の場合40億回かけていく。これがどんなにすごい数か。人が偶然に生まれる確率はゼロ。一億円の宝くじが100万回連続して当たるのと同じ、というのはまだまだ甘い」と語っておられます。
あなたの思いをはるかに越えたいつくしみをもって、今日もあなたに命を与えておられる神の愛を、生活の中で味わってまいりしょう。

  心柔らかい生き方(3月19日)

 体の硬さが気になる人が多いようです。季節や年齢のせいもありますが、具体的にどのような状態ゆえに硬くなるのでしょうか。
体の筋肉を構成する筋繊維は、太い「ミオシン繊維」と細い「アクチン繊維」がはしご状に並んでいます。これらが膜で仕切られ、「筋節(きんせつ)」を構成し、筋節一つ一つが伸び縮みすることで筋肉の働きができます。そのため、ストレッチ等で筋肉をゆっくりと伸ばす運動を繰り返すと、次第に筋節が増え、骨と筋肉をつなぐ腱に筋繊維が入り込み、筋肉が動きやすくなります。
では、心の筋肉の柔軟性はどのように作られるのでしょう。現代人は知識量を互いに比較し合い、その量の多さを心のエネルギーにしています。
しかし、聖書は「上からの知恵は、第一に清く、次に平和、寛容、温順であり、あわれみと良い実とに満ち、かたより見ず、偽りがない。」(ヤコブ3・17)と語ります。「上からの知恵」とは神の知恵で、多くの知識(情報)
を生活で適用できる能力を言います。
これからの時代を真に柔軟な心で生きていくために、すべての知識を活用でき、さらに、人間の知識をはるかに越えた知恵を持っておられる神に聞きながら、心の筋肉を鍛え、豊かな人生を歩みましょう。

  相働きて益となる人生<(3月26日)

 「すべての事が相働きて益となる」世界が人生です。
小さな一個のどんぐりが大きな樫の木となることは皆さんご存じです。では「たった一円、これでは何もできない」と一円玉を見ますか。それとも、その向こう側にある、限りない可能性を思い描かれますか。
小柴昌俊先生は『カミオカンデ』という施設でのニュートリノ観測でノーベル賞を受けられました。その施設を両陛下が見学に来られた時の話です。
小柴先生は、この働きを推進していくために「国民一人当たり一円募金」という運動をしていることを語り、国民全員が出してくれたら、一億数千万円も集まることを話しました。一ヶ月くらいした頃、両陛下から寄付が届けられました。開けてみるとそこにあるのは二円。両陛下が一円ずつ出されたのです。
しかし話はここからです。「今年は二円ですが、20万年分出させていただきます」と添えてありました。何というユーモアでしょう。小柴先生がこの話をカミオカンデがある山の持ち主に話したところ感動し、5000万円を出してくださったのです。
このような発想がノーベル賞受賞の礎となったのかも知れません。あなたも、地上のノーベル賞に優る、永遠の天国賞を生活の中で勝ち取っていきましょう。

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