2017年12月の霊想

  祈 り(12月3日)

 あなたは日々どのような祈りを捧げられますか。自分の状況に最も適切な祈りでしょうか。また、その時の自分の身丈にあった、定まった祈りを捧げることもすばらしいことです。
次の祈りは、歴代のアメリカ大統領の中でも人気のあったジョン・F・ケネディが好んで唱えた祈りです。
主よ、
安楽な生活を求めるよりも、
強い人に私をしてください。
自分にふさわしい仕事を求めるよりも、
与えられた仕事を果たすために
必要な力をお与えください。
また、ラインホルド・ニーバー牧師の日々捧げる祈りはすでにご存じかも知れません。
主よ、
変えられない物を受け入れる心の静けさと、
変えられるものを変える勇気と、
その両者を見分ける英知(叡智・えいち)を与えたまえ。
今週、状況に適した祈りと共に、どのような中にあってもいつも捧げる、あなたならではの定型の祈りを主に求めてみてください。日々生きるため、「祈り」に勝る力はないからです。

  年輪の重みを生きる(12月10日)

 最近、ご高齢の方が人生をつづられた本が読まれています。これらを「アラハン本」と呼んでいます。アラウンド・ハンドレッド、つまり100歳前後の著者による本のことです。篠田桃紅著『103歳になってわかったこと』、佐藤愛子著『九十歳。何がめでたい』は、今年上半期のベストセラーでした。
アラハン著者の火付けとなったのは、『置かれた場所で咲きなさい』の著者で、昨年末89歳で召された、渡辺和子先生です。230万部の大ベストセラーとなり、読者から届く感想のはがきは6千通以上にもなり、今までにない大反響でした。
人生の先輩たちが元気に現役で活躍することで、その秘訣やその人ならではの言葉が、現代人の励ましになっているようです。
聖書はずっと以前から、私たちに人が老いていくことを認識し、先輩から人生訓を聞くことを教えています。
「あなたを生んだ父のいうことを聞き、年老いた母を軽 んじてはならない。」(箴言23・22)
「しらがは栄えの冠である、正しく生きることによって それが得られる。」(箴言16・31)
人生の困難の中にあっても、神様からいただいたいのちを、今置かれた場所でしっかりと生き抜くモデルを、人々は求めているのです。

  あきらめない心(12月17日)

 歴史上、最も偉大な天才と呼ばれる物理学者、アインシュタイン博士の次の話をご存じですか。若い頃、彼はとても天才とは思えませんでした。大学受験に失敗、大学入学後、物理学者を志していたにもかかわらず、「才能がない」と教授に烙印を押され、助手として大学に残ることもできませんでした。就活でも苦労し、やっとの思いで、友人のコネで特許局に就職し、家庭教師などのアルバイトをして生計を立てました。
このような状況ですから、「あきらめが肝心」と思う人もおられるでしょう。ところが、アインシュタインは特許局に勤めている時、立て続けに論文を発表し、物理学史上「奇跡の年」と呼ばれるに至った三大論文を書きました。
信仰心に富んだアインシュタインの人生を支えたものは、決してあきらめない心でした。「しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」(マタイ10・22)と口ずさみながら、神様の祝福をしっかり自分のものにしたのです。
あなたの人生も、主に信頼しつつ、決してあきらめることなく、神様からいただいた約束を勝ち取るために一日一日を大切に生きましょう。
「神の御旨を行って約束のものを受けるため、あなたが たに必要なのは、忍耐である。」(ヘブル10・36)

  クリスマスを祝う(12月24日)

 クリスマスをお祝いするために、教会では今年もクリスマス礼拝、コンサート、キャンドルサービスと様々な集いがあります。
英語のクリスマス(Christmas)には「キリスト(Christ)の礼拝(mass)」 という意味があり、フランス語ではノエル(Noel=ラテン語の【誕生】が語源)」と言います。
クリスマスの時期になると、世界中でイエス・キリストの誕生と生涯の意味を表すため、クリスマスツリーやリースに緑、赤、白、金、銀が多く用いられます。
それらには各々メッセージが込められています。例えば、緑は常緑樹の色で永遠の生命を表しています。赤は十字架の血の色でメシヤの約束を表し、白色は汚れなさを象徴し、十字架による罪の赦しを示しています。金と銀は王として来られるキリストにふさわしい色と考えられています。そして、キャンドルは世の光なるキリストを象徴しています。
クリスマスは、キリストが私たちの救いのために地上にきてくださった事実を喜び、キリストを心の中に迎え入れる時です。あなたの内に、イエス・キリストの愛といつくしみが、豊かに満たされますように。
「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。(ルカ2:14)

  神の作品を生きる(12月31日)

 「一人一人は神の作品」という聖書の人間観に対し、「弱いよりも強く、遅いよりも早く」という価値観がホコリとなって作品である各々を覆っているのが現代です。
厚生労働省の研究班による、ダウン症の方に対する2015年のアンケートがあります。「毎日幸せに思うことが多いか」という質問に対し「はい」と答えた方が71・4%、「ほとんどそう思う」が20・4%でした。合計90%を越える高い数字です。2012年、米国で行われた調査では99%が「幸せ」と答えています。
現代は「障がいは個性」と捉えられ、神の作品が輝き始めていることは何とすばらしいことでしょうか。個性(障がい)豊かに、働きながら趣味を楽しみ、一般の人と変わらない、充実した生活を送っている方が多くいらっしゃいます。
特に、これからは超高齢社会の時代です。やがて自分自身も年を経て高齢者になります。「弱い」とされてきた障がいのある方々や高齢者と共に歩むために、もう一度、「私たちは神の作品」という聖書のメッセージに耳を傾け、弱くても、強くても、遅くても、早くても、共に神の御手の中にあることをしっかり味わい、来る2018年も多くの人に伝えていきましょう。

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