2018年12月の霊想

  本物の愛に生きる(12月2日)

 数多くの名文を残したコラムニストの山本夏彦さんは、「『愛する』という言葉が日本語になるには、百年、否、二百年はかかる」と言われました。歌謡曲の中で最も多く使われる言葉は「愛」と言われ、その使用頻度の多さゆえに手垢のついた感じがします。しかし、人々は「愛する」という言葉の真の意味を理解せずに使っているのではないでしょうか。
なぜ「愛」の真の意味が日本に浸透しないのでしょう。
新約聖書の原語であるギリシャ語には、様々な「愛」をあらわす言葉があります。よく知られているのは、自己中心の愛をあらわす「エロス」と、神様の無条件の愛をあらわす「アガペー」です。
人間にとって最も大切なアガペーは、イエス様が人類の罪のために死んでくださったことによってあらわされました。そのアガペーをあなたの生活の中で噛みしめることからすべてが始まるのです。そして、あなたが言葉や振る舞いによってアガペーをあらわしていく時、人々に愛のぬくもりをお届けできるのです。
百年、二百年待たずとも、今日、あなたがイエス様と交わり、この本物の愛に生きる時、まわりの人々へと浸透し、広がっていくのです。

「愛は、神から出たものなのである。…神は愛である。」
(Ⅰヨハネ4・7~8))

  あなたの音色を奏でる(12月9日)

 アントニオ・ストラディバリは、17~18世紀、弦楽器の名産地イタリアでニコラ・アマティのもとで修業しました。その後、師匠よりも音が大きく、すべての音域でバランスがとれたバイオリンを作り出しました。それが、最高級のバイオリン、ストラディバリウスで、推定で20億円するそうです。
詩篇の作者ダビデは、タンバリンや琴で、よく神をたたえていました。羊飼いをしていた野原であったり、王宮の中であったりと、置かれた所がダビデの賛美の場所でした。
ダビデは日頃から琴を奏でていたため、イスラエルの初代王サウロの心が不安定な時、ダビデの賛美によって心と霊の落ち着きを取り戻したことが記されています。
同じように、たとえ高額な楽器を持っていないとしても、あなた自身が神の前にあって最高の楽器となり、あなたならではの音色を奏でることができるのです。今も、あなたの音色がまわりの人々の心の中で鳴り響いています。

「主をほめたたえよ。われらの神をほめうたうことはよいことである。主は恵みふかい。さんびはふさわしいことである。」(詩篇147・1)

  人生の意識改革(12月16日)

 「どんな時も大丈夫」という言葉が大好きで、いつも唱えておられる方がおられます。「すべてのこと相働きて益となる」(ローマ8・28)のみ言葉があなたの生活の隅々で実を結んでおられることは何とすばらしいことでしょうか。
しかし、ふと気がつくと、実りが少ない、まいたこともない雑草が生活の中に生え、それに支配されて実がならない状況に至ることがあります。それは、恵みに慣れっこになり、長年の人生にすっかり安心してしまう、企業で言うと「老舗病」に陥ることがあるのです。
かつて、『仁丹』という商品は、作れば売れる商品でしたが、気がつくと30億円の赤字が発生しました。永遠に売れ続け、存続するという幻想から社員は抜け出すことができなかったのです。そこで、社長の駒村氏は、会社を救うべく意識改革を行い、見事に再生しました。
あなたも、自分の人生の社長として人生運営をなさる中、ふと実の結ばないことを発見なさることがあるのではないでしょうか。その時は、どこから落ちたかを点検し、意識を天に向け、日々目を覚まして歩みましょう。

「あなたは初めの愛から離れてしまった。そこで、あな たはどこから落ちたかを思い起し、悔い改めて初めの わざを行いなさい。」(黙示録2・4~5)

  そだねー(12月23日)

 今年の『年間流行語大賞』に、カーリング女子の「そだねー」が決まりました。「氷上のチェスと言われる緊迫した攻防の中、この言葉はホッとするひとときをもたらす」と評価されました。人生、様々な出来事に遭遇する時、「そだねー、大丈夫」と生きることができるのは何とすばらしいことでしょう。
クリスマスは、この「大丈夫」メッセージがイエス・キリストによってもたらされた出来事です。「そうではない」と責められるのではなく、天来のメッセージは、自らの不十分さを補って余りある「どんな時も神は共におられる。だから大丈夫」です。

「見よ、おとめがみごもって男の子を産むであろう。
その名はインマヌエルと呼ばれるであろう」。
これは、「神われらと共にいます」という意味である。
(マタイ1:23)

このことを知るだけではなく、日々の生活で実体として味わい、活用すると同時に、この喜びをあなたの隣り人にしっかりと伝えることが、クリスマス、そして、人生の唯一の目的です。私たちの教会を「米沢大丈夫教会」と呼ぶ人がいますが、あなたのそのような日々の歩みが、あなた自身とキリストのからだである教会を建て上げます。内面からあふれ出る「そだねー、大丈夫」をさらに豊かにしてまいりましょう。

  魅力ある人生を送るには(12月30日)

 「魅力ある人生を送るには」と問われたら、どのようなアドバイスをなさいますか。
① 好きなことをする
好きなことを深める生き方です。反社会的でなければ、どんなことにも挑戦してみるのです。好きなことがないという人は、今与えられている状況をさらに心を込めて生きると、道が開かれます。
② あなたのできることをする
人は自分にできないことを探し、隣の芝生を見て憧れがちです。他者から見ると意外とわかるのですが、本人は慣れっこになって、それが自分に与えられた神様からの贈り物とわからないことがあります。他者の目を通し、あるいは、自らを鏡に映しながら、自分の持ち味を見つけ、それを生かすことも知恵のある生き方です。
③ 自分のすべき事をする
①と②はやがて飽きが来、どこかで燃え尽きることがあります。しかし「神様は私に何を望んでおられるか」と祈り、問い続けると、あなただけの天来のメッセージが必ず与えられます。これを「ミッション(使命)に生きる」と言います。
あなたのミッションは何ですか。進めば進むほど味わい深いこの世界を、新年も心していきましょう。

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