もしあなたが「あの人、急に転職したんだよ」という話を聞いたなら、「きっと以前から問題を抱えながら仕事をしていたのだろう。ずっと我慢してきたのではないか」と察することでしょう。
実はマタイこそ、その人物でした。彼は取税人という経済的に恵まれた職を一瞬にして辞め、イエス・キリストの弟子として従っていきます。「『わたしに従ってきなさい』と言われた。すると彼は立ちあがって、イエスに従った」(マルコ2:14)。
彼の内面は、「すべて重荷を負うて苦労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう」(マタイ11:28)の御言葉から推察できます。他の福音書記者が取り上げていない中で、マタイだけはこの言葉に反応しているのです。彼が心に重荷を持ち、休みを求めていたからこそです。
あなたが常日ごろ口に出している「ダメだ」「できない」という否定的言葉の背後には、命のガソリンが満々と蓄えられているのを認識しましょう。そこに火がつけば一気に爆発し、マタイのように立ち上がって動き出します。生きることに疲れを感じる時こそ、内なる命は次のステップを目指しているのだ、と思いを新たにし、キリストの命に生かされる日々を送って参りましょう。