2001年4月の霊想

 

  まん中を通られて (4月1日)

 「しかし、イエスは彼らのまん中を通り抜けて、
  去って行かれた」(ルカ4・30)

 白か黒か、右か左かと、短絡的に一方を選ぶことがあります。しかし、時には、善人にも悪人にも太陽を昇らせてくださる神の知恵で、状況状況に処することが賢明な生き方です。
 たとえば、日本人はみこし型、アメリカはボート型、と言われます。
 おみこしはユサユサとしか進まず、能率の面では無駄が多いのですが、それでも、お社へという目的がはっきりしていますから、着実に進みます。
 それに比べ、ボートは命令通り調子を合わせて漕ぎ、どこに行くかは艇長任せで、ただ漕ぐことのみに専念させられます。能率から言えばボート型が良いのですが、ボートの運命は一人のリーダーの手に握られる危険性があります。
 二十一世紀は、どちら型かではなく、両方の良いところを巧みに用いて生きることが求められます。今週も、神の栄光のために私がどう生きることがよいかを主に尋ね求めつつ、前進してまいりましょう。

  熟練したトンネル職人のように  (4月8日)

あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、
神はそれを良きに変らせて、
今日のように多くの民の命を救おうと
  計らわれました。
                (創世記50・20)

 熟練したトンネル職人は、ゴールに辿り着くための鋭敏な勘を持ち、何よりも、必ずこの暗闇は突き抜けることを、自分の体で知っています。
 多くの人は「うまくいくかどうかわからない」と思ったり、あるいは、わかっていても「頭だけ」でわかって体感したことのない人は、同じことを試行錯誤する生き方をします。
 「私はそう思わないのですが、あの人が言うものですから……」と会話をする人がいます。このような人は、自分が熟練したトンネル職人の域に達していないことに気がついていないのです。わかっているのだけれどできない、のではなく、わからないからできないのです。
 何事も、理屈で「なるほど」と思うことを、自分の体で全存在で納得承認するまで突き抜けていくことです。そのために、日々、神との交わりの中でエネルギーを得ながら、体験の世界を確実にすることこそ、人生の最大の生きがいです。
 今週も、心して歩んでまいりましょう。

  死からいのちへ (4月15日)

 他人を見て、「なぜ自分だけが」と思う出来事が人生にはよくあります。しかし、万人に平等に与えられるものがあります。それは、「すべての人は死ぬ」という事実です。
 キリスト教は、人間は死んでおしまいではなく、永遠の命があるという事実をあなたに伝えます。その証明として、キリストご自身が、人類の身代わりとなり、死んで墓に葬られた後、3日目によみがえられたのです。この復活信仰は、すべての人間に究極の希望を与えるだけでなく、何よりも、毎日の生活を一新します。
 私たちは、大小様々であっても、個人個人が「もうダメだ」という出来事に出会います。
 しかし、もしあなたが、すべての終わりは新しい始まりと、死(不可能)の壁を打ち破られた神の力を信じる時に、イースターは、一年に一度の祝い事ではなく、日ごとの現実となります。日々の歩みの中で、復活の出来事を体験して生きることができるのです。
 死は罪の結果です。しかし、その死に勝利されたキリストをしっかりと心の中心に据え、二十一世紀、今週も、毎日の生活の中で、イースターを体験してまいりましょう。

  豊かに蒔く者は豊かに刈り取る (4月22日)

「わたしの考えはこうである。少ししかまかない
  者は、少ししか刈り取らず、豊かにまく者は、
  豊かに刈り取ることになる」
             (Ⅱコリント9・6)
 人は、自分のまいたものを何らかの形で刈り取ることになります。
 アメリカのネバダ砂漠を、一人の老人が弱々しく歩いていました。通りかかったダマーさんは、通り過ごすことなく、この老人の行き先のラスベガスまで送ってあげたばかりでなく、この先のバスに乗るお金と言って二五セント(約三十円)を渡しました。老人は礼を言い、立ち去りました。
 この老人の遺言状に、「自分の全財産の十六分の一をダマーさんにあげるように」と書き残しました。この老人の名は、世界的大富豪であるハワード・ヒューズ。ダマーさんが受け取った財産は、日本円に換算して五百億円という大金でした。
 私たちの人生でも、不平や愚痴をまく人はマイナスを刈り取り、受けるよりは与える方がさいわいと、日々の歩みの中で豊かに与えていく人は、豊かな刈り取り、豊かな結果を必ず得ていくものです。
 今週も、神の国の法則に生き、豊かな実を刈り取ってまいりましょう。

  人生の達人 (4月29日)

 試練にある会社を再建し、より健全で、より豊かな会社経営へと指導しているAさんがおられます。今日まで関わってこられた数千という会社のほとんどをプラスに変えられ、この業界の天才と言われています。
 会社を再び建て上げ、豊かに育てることができたコツは、何よりも、その会社の持っている長所をしっかり見いだし、それを伸ばすことに尽きる、と言われます。
 Aさんには、人でも状況でも会社でも、欠点は全然目に入らないと言います。ある人はAさんを、『人生の達人』と呼びます。
 私たちも、神の作品としての自分自身、そして、与えられた状況は神様の御手の中にあるという、神様に対する深い信頼と関わりの中からすべてを見ることです。その時に、主の恵みをしっかり見いだし、その恵みを味わう人生の達人に誰でもなることができるのです。
 もちろん、私たちの不十分さを悔い改め、修正することは必要です。しかし、人は、豊かな恵みをいただいてはじめて、自らの弱さを認め、変えていくことができるのです。
 今週も、恵みから恵みへと目をとめて歩み、達人の道を深めてまいりましょう。

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