2002年07月の霊想

  創造的な生き方 (7月7日)

 ある下請けのカーラジオ製作会社が、親会社から、半年で五%、残り半年で一五%値引きするように、と言われました。これを受けたラジオ会社は困り果てました。今ですら三%しか利益がないのに、二十%も値引きをすれば大変な赤字になるからです。しかし、「必ずできるはずだ」と心に決め、それに取り組み始めました。試行錯誤をして一年後、驚くべき事に、二十%安くしても、なお十%の利益の上がるカーラジオが完成したのです。
 この会社の社長さんは言いました。「少しの値引きであれは、今あるものを減らしたり、小さくし、削ればよいわけですが、このような状況は、全く新しい発想法からのみ可能になるのです」。
 人生も同様で、我力に別れを告げて、神を信じ、神に従うことです。根本的な確かさは神にのみあります。しかも、私たちの信じる神は、天地を創造され、知恵に満ち、知識に満ちた神です。この神と共に歩む時に、無尽蔵の祝福と可能性があなたのものになるのです。

「あなたがたのうち、知恵に不足している者があれ ば、その人は、とがめもせずに惜しみなくすべて の人に与える神に、願い求めるがよい。そうすれ ば、与えられるであろう」(ヤコブ1・5) 

  世界を変える生き方  (7月14日)

 英国国教会の教職者が次のように言いました。

 若くて、自由で、想像力も果てしなかった頃、世の中を変えるのが私の夢だった。年を取って、賢くなるにつれ、世の中は変わらないことに気づいた。
 そこで、少し、視野を狭め、自分の国だけを変えることにした。だが、国も微動だにしなかった。
 人生の黄昏に差しかかり、私の家族や身近な人々だけでも変えようと、最後の力を振り絞ってみた。ところが、ああ、誰も言うことを聞いてくれない。
 そして、死の床に就いた今、私は気づいた。(おそらく生まれて初めて)まず、自分自身を変えていれば、家族も私を見習ったのではないかと。家族に励まされ、支えられて、自分の国を良くすることができたのではないか、と。もしかしたら、私は世界を変えていたかも知れないのだ。

 この文は、人生を、人間の有り様を言い得て妙です。この方のように、人生の最後に悟るのではなく、今、あなたがこのことに気がつき、実践すると決心して生きる時に、あなたとこの世界が変えられ、そして、すべてのものが御心にかなった歩みへと前進することでしょう。

  現代の病 (7月21日)

 古代ギリシャやローマを滅ぼしたものは痘瘡などの疫病とされています。また、中世末期のヨーロッパを襲ったペストは、ヨーロッパ人口の三分の一を壊滅させ、近世を開く陣痛になりました。ロシアに攻め込んだナポレオンが敗退せざるを得なかったのは、兵士たちの間に発疹チフスが流行したからでした。
 病気が国を滅ぼし、歴史を変えてしまいます。それでは、現代の病気はいったい何でしょう。
 それは、ガンでしょうか、「不治の病」と呼ばれる難病でしょうか。しかし、それらの病より恐ろしいものがあります。それは、自分以上の世界、神を認めない、自己中心こそ、すべての大本です。
 早くそのことに気づき、しっかりとこの病から解放されることこそ、あなたが、そして、あなたを通してまわりが、大きな祝福を受ける鍵です。
 その道は、神の愛(キリスト)に出会うことです。そして、出会う時に忘れてならないことは、キリストが来られたのは病人を招くためであったと言うことです。
「丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である。わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招くためである」 (マルコ2・17)

  人は答えを求めるのでなく (7月28日)

 長い間、多くの方々の相談事を受けてこられたAさんが、しみじみと次のようにおっしゃいました。
「相談に来られる方は、皆、しっかりと答えを持っている。それでも相談に来られるのは、その答えに至るための道を探し、その道(方法)を見いだしても、そこまで登り切るエネルギーがないからです。その力を求めて、途中で挫折することなく、最後の答え(目標)に至るまでの確かな希望を求めて来られるのです」と。
 あなたも、「どうしたらいいか」と答えを求められる時に、つい、模範的な答えを語られることがあるのではないでしょうか。人は、理想の答えではなく、解決への道、力、希望を求めていることにしっかり焦点を合わせることです。
 しかし、必要なこれらの三つのものは、勉強してわかることではありません。これらは、日々の生活の中、神様との交わり(祈り)でのみ培われるものだからです。培われた実体にのみ力があります。
 生活の中で出会う小さな出来事一つ一つをいい加減にすると、出来上がった全体がゆがんでしまいます。ですから、日々の歩みの小さな事にも心を込めて向き合い、対処していくことが鍵です。
 今週も実体ある生き方作りを励んでまいりましょう。

-

© 2024 Yonezawa Kojo Church