2002年4月の霊想

  下心よりも舌心 (4月7日)

 「下心」と「舌心」は、共に「したごころ」と読みます。「下心」は、隠れた本心、密かな企みなどを言います。多くの場合、良い意味で用いられることはありません。他方、「舌心」は、満面にほほえみをたたえ、おいしい旬の料理に舌鼓を打ち、時を忘れておいしいものを召し上がることです。
 「舌」という漢字は、「千」と「口」から成り立っています。漢字が象徴しているように、千の味を体験し、舌が肥え、味覚が鋭敏になると、食べ物の好みも研ぎ澄まされていき、感性が磨かれ、同時に知性も豊かになります。「食文化」と言われるように、食べることは人間の基本であり、また、多くの深みある文化を生み出すのです。また、お話しの上手な人を「舌が回る」という表現で用いられるほどです。
 さて、心が濁る「下心」でなく、真の心の舌を肥やすためには、何よりも、み言葉を日ごとに召し上がることです。エレミヤは「わたしはみ言葉を与えられて、それを食べました」(エレミヤ15・16)と表現しています。
 あなたも、心の内に豊かさを保つためにみ言葉をしっかり食べましょう。
 今週も、心の舌の肥えた人へと、み言葉によって磨きをかけていきたいものです。

  長寿の秘訣  (4月14日)

「日本人のクリスチャン寿命は三ヶ月である」
          (総動員伝道ニュースより)
 日本を代表する伝道者であり、日本キリスト教界の指導者である羽鳥明牧師が語られた言葉です。
 なぜこのように信仰生涯が短命になりがちなのでしょうか。
 まず何よりも、信仰の動機が御利益中心であり、クリスチャンになると何か得をするという概念を持ち、そのような世界で留まってしまうからのようです。
 逆に、キリスト教信仰が元気で、長生きできるためには、罪の悔い改め、主イエスに従うという信仰の基本が大切です。さらに、信仰生活が日曜日だけではなく、毎日の生活の中でディボーション(神との交わりの時)を守ることが、そのコツです。
 体の健康を保つために、食事、睡眠、運動などに気をつけるのと同じように、信仰生活でも、短命に終わるのではなく、元気で、長生きできるように心してまいりましょう。そして、あなたと同じような、精神的にも、肉体的にも、社会的にも深みのあるクリスチャンが増し加えられ、元気で長生き信仰生活を、日本に、そして、世界に向けて、拡大していきたいものです。

  教会とは何か (4月21日)

 日本人は一般的に、「教会とは、とんがり屋根に十字架のついている建物」と思う人が多いのではないでしょうか。
 しかし、生きたイエス・キリストの見える形が教会です。信徒一人一人は、そのキリストの体の一部分を担っているのです。ここに教会の神秘性と同時に、現実性、その深さ、広さ、高さを見ることができます。
 世の中では多くのことが多数決で決められます。しかし、この地上にあって、教会は「数が力」という考えを持ちません。真理に従い、ただ一人でも悪に立ち向かっていくことが教会の使命であり力です。二人または三人が集まる所に主が共におられ、建物がなくても教会は成り立ちます。教会はその使命とエネルギーを持って、この時代に神の愛を伝えるために存在します。
 「教会は自分たちのためにある」と信徒が内向きになると、不平が出、裁き合いが始まります。「教会が自分に何をしてくれるのか」と問うのではなく、いつも、与えられたキリストの体の一部として、「自分はこの与えられた教会の一部として何ができるか」と問うことが大切です。経済的にも、また、体力も時間も制限された中で、心いっぱいキリスト(教会)に仕えていかれるあなたがおられることは、何と幸いなことでしょう。

  雑草に学ぶ (4月28日)

 園芸植物は肥料も水もたっぷり与えられて育ちます。中には、一年中春の陽気のような温室で、何不自由なく育つ植物もあります。
 一方雑草は、誰も助けてはくれず、自分の力で根を伸ばし、葉を繁らせて生きなければなりません。雨の日もあれば、寒風にさらされる日もあり、踏まれることすらあります。植物の発芽に必要な条件は、空気と水と温度の三つですが、多くの雑草はこれらを与えてもらうのではなく、それを求めて、いつも能動的に活動します。
 イネと全く同じように見えるタイヌエビは、イネに寄り添って共に田んぼの中で成長していきます。そして、最後の実をつける時に、イネよりほんの少しだけ背を高くし、繁栄を勝ち取ろうと努力します。
 雑草は、チャンスを失い、抜かれても、次から次へと挑戦をし、巧みに状況になじみ、生き抜いていきます。その生き方は、いつも自分で判断し、決断し、与えられた条件を、百パーセント活用していく生き方です。
 人は、時として困難な出来事に出会うと、「失敗」とレッテルを貼り、意気消沈することがあります。そのような時こそ、雑草の生き方に多く学びながら、たくましく、今週も歩んでいきたいものです。

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