2003年07月の霊想

  今を生きる (7月6日)

 Aさんは、「私は、絶対、友だちに次の二つの質問はしない」と言われました。「昨日は何をしていたの?」と「明日はどうするの?」。Aさんにとって、人生とは過去でもなく、まだやってこない未来でもなく、「今が人生である」ということに徹しているのです。
 私たちは、今を生きることの面倒さや今に向き合うエネルギー不足から、つい、過去を見たり、未来に思いを馳せることがあります。また逆に、年老いたことをしょうめいする現象の一つとも言われますが、過去を語り出すこともあります。
 しかし、年令を加えても、あるいは、試練のただ中にあっても、いつも、この状況、この時の可能性をしっかりと見いだし、工夫し、チャレンジしていきましょう。
 贈り物を英語で「プレゼント(present)」と言い、同じスペルで「現在、今」と言う意味でもあります。人生、「今」が天からの最高の贈り物であることをしっかり心にとめながら、今、この状況の、この時の、この私ができることを見いだし、チャレンジするのです。そこに、人生の感動と「生かされている」という、いのちのみずみずしさが生まれるからです。

 「見よ、今は恵みのとき」 (Ⅱコリント6.2)

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  祈りの三段階 (7月13日)

 「求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう、門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう」 (マタイ7.7)
 人生の確かさを強くする第一ステップは、「求めよ」です。求めるとは、まず座ることです。事を起こす前にまず座して祈り、何をなし、どこに向かうかを考え抜くのです。この時こそ、最も大切な日々の生活の土台となります。
 捜す。第一ステップを経て具体的な行動を起こし、祝福のあるところをしっかり捜すことです。宝は、多くの場合、思わぬ所や、試練の場に埋もれているものです。神様は、どのような状況にも必ず宝を備えておられます。大切なことは、見つかるまで捜し続けることです。
 たたく。どこをたたくのかが大切な鍵です。日常の小さなことも大切ですが、私たちが生かされている目的は永遠の命を得ることです。すなわち、天国の門をしっかりたたくことです。そして、門をたたくとは、たたいて来会の意を告げ、先方に門を開いてもらうことです。開き手は、私たちではなく、あくまでも神様ご自身です。たたく者には必ず門を開き、迎えてくださる神様の約束をしっかり心にとめて、今週も、求め、捜し、たたき続けていきましょう。

   

  人間関係の鍵 (7月20日)

  子供さんのことで相談に来られる親御さんに共通していることは、子供を自分の思う通りに育てたいと思っておられる、すなわち、支配が根底にあることです。これは、子供との関係と言わず、夫婦関係、人間関係のすべてに共通しています。
 この親子関係について、司祭で作家のヘンリー・ナウエンは、次のように言いました。
「親子関係をもてなしにたとえるのは奇妙に聞こえるかもしれない。しかし、キリスト教の大事な教えは、子供は親が所有して支配する持ち物ではなく、大切に育てる授かりものだという考えである。子供は一番大切な客である。家に帰ってきて、親身な世話を求め、しばらく滞在して、やがて旅立ち、自分の道を行く」
 これは、親子関係だけではなく、すべての人間関係に言えるのではないでしょうか。相手を支配し利用するのではなく、相手にいつも仕えていくという心の姿勢は、あなたの人間関係をまったく変えてしまうのです。
 そのためには、私たちがイエス・キリストを人生の手本とし、さらに、心に住んでいただくことです。この方が生きたように生きる時に、私たちは、キリストにならうことができるのです。
 今週も、心してまいりましょう。

   

  心のお洒落 (7月27日)

 現在、91歳、今なおダンディーだと言われ、ファッション界をリードしてきたIさんが次のように書きました。
 「『60を過ぎてからの、お洒落の仕方、どうすればよいのでしょう』というような、お年寄りのお洒落についての講演を頼まれることがよくある。しかし、このことに関して私の持論は、これまでの人生を、どぶネズミ色のスーツだけでしか過ごしてこなかった人には、いくら60を過ぎてからお洒落になろうとしても、それは無理と言うことである。お洒落とは何を着るかということではあるが、それまでに充実した人生を過ごしてきた人は、何を着ても様になるし、そうでなかった人は、何を着ても陳腐になってしまう。つまり、そんな理由から、このような内容の講演は、申し訳ないが、お断りしている」。
 しかし、誰でもキリストにあるならば、いつ、どのような状況からでも、人生が変えられるということは何とすばらしいことでしょう。80歳を越えて洗礼を受けられたBさんは、「全く別人になった、考え方、生き方、その歩き方まで」と、多くの方々から評価されました。
 主にある希望は、決して失望に終わらないことを心にとめ、今週も「大丈夫、大丈夫」と前進いたしましょう。

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