2003年10月の霊想

  好かれるコツは…? (10月5日)

 人生には様々な人間関係があります。その出会いの中で人に好いていただけるコツは、ただ一つ。人が求めているものを充分に差し上げることです。  人が求めているものは様々で、おのおの異なります。 しかし、その中で共通しているものがあります。「自分は必要とされている」「自分はその人にとって大切な存在である」という自己重要感です。人は自己重要感を渇望し、飢餓状態と言っても過言ではない現代です。ですから、逆に嫌われる人とは自己重要感を削ぐ人です。悪口を言うことで、相手が下がり自分が上がる、と相対的な世界に生き、錯覚する人がいます。しかしそこに充足はなく、さらに飢え渇きが生まれるだけで何の力にもなりません。
 人に自己重要感を与えるためには、あなた自身が、自分はすばらしい存在であるという確信、心の貯金が豊かにあることです。あなたは、自分のすばらしさをどのように培い、磨いていらっしゃいますか。
 人と比較・競争したり、地上のもの(地位、名誉、財産等)を身につけることではありません。あなたは、神様の目に高価で尊い存在であり、無尽蔵の祝福の相続人であることをしっかり覚え、日々、生活の中でそれを確認していくことです。心してまいりましょう。

  他者の荷を担う (10月12日)

 Aさんは人生で大きな失敗を犯しました。そして、奥さんから、間違いなく、離婚を言い渡されるものと覚悟していました。しかし、クリスチャンである奥さんは、責めるどころか、「私の愛が足りないゆえです」と、逆に謝られたのです。思いもしない結果に、Aさんは驚きました。今まで奥さんの信仰に反対していたのにもかかわらず、このことを契機として、Aさんご自身も入信なさいました。
 愛とは他者の重荷を担うこと―そうであるならば、日々の生活の中、愛の実体者としての道を、一歩でも前進したいものです。
 実力がないと自虐的になり、「何もかも自分が悪い」というとらえ方をしてしまうことがあります。真似事や我力・見栄で重荷を担うのではなく、愛に満ちて重荷を担うために、まず、担い手自身がキリストと出会い、自分の荷をしっかり担っていただく体験をしていることです。すなわち、イエス様との出会いの中で得た真の実力を持って事に対処することがポイントです。
 今週も主と共に歩み、さりげない出来事の中で、主が自分にしてくださったように、隣人に対して少しでもなしていくことができますように。実体者の歩みを、さらに、進めてまいりましょう。

  今ある恵みを思う (10月19日)

 リンゴも梨も、春に美しい花をつけます。やがて実がなり出すと、豊かな実りのために、惜しげもなく不必要な実が取り除かれます。収穫期になり、大粒の実に値段が付けられます。それらは売られて、人々の胃袋を満たしたり、芸術家によって描かれたりします。
 この一個のリンゴが存在するために、多くの仲間のリンゴが犠牲になったことを思います。
 この果物のように、私たち一人一人も、多くの人のお陰と犠牲によって今があることを知ることは、とても大切なことです。
 今、ここにある自分が、どれほど多くの人々と神様の愛とあわれみによって生かされているかを、しっかりと思い起こし、心に刻みたいものです。そして何よりも、人となられた神・キリストが、私が今この世に存在するために、自ら命を捨ててくださり、犠牲を捧げられました。この方を絶えず思い起こし、その愛をかみしめると共に、また、誰かに、このいのちとぬくもりを差し上げる一週間を送っていきたいものです。

  「神はそのひとり子を世につかわし、彼によってわたしたちを生き
   るようにして下さった。それによって、わたしたちに対する神の
   愛が明らかにされたのである」           (Ⅰヨハネ4・9)

  共に生きる (10月26日)

 「自分一人だけが儲かればよい」という商売は、結果的に、自分自身をも失うことになります。
 ユダヤ人や華僑の人たちを見ていると、同業者が共に集まり、共鳴し合い、助け合い、そして、競争し合います。結果、地域全体に大勢の人々を呼び込みます。横浜や神戸の中華街を訪ねられたこともおありでしょう。ご存じの通り、共々に名所となっています。
 共に生き、共に助け合っていく。その中で、「競争する」とは、相手を蹴落とすことではありません。競争をするのは、相手とではなく、より良きものに向かっていくための、自らとの戦いです。そこに、共に、一歩でも先に達しようとする、生き方、考え方が生まれます。人間関係も同じです。仲間作りの上手な人は、相手を生かし、自分をも整えていきます。
 このようにして、あなたを通して神様のぬくもりがまわりに伝わり、あなたを通して神の国が建設されていくことは何とすばらしいことでしょうか。
 共に生きる世界―その世界は、まず、自分自身と神様の交わりを密とし、神様のぬくもりに自ら潤っていくところからスタートします。
 今週も、神様との交わり(祈り)を密にし、歩んでまいりましょう。

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