2003年12月の霊想
心を整えて生きる (12月7日)
マラソンの高橋尚子選手は、ある時、スタート前に感想を聞かれ、「あと四二キロしかない」とさらりと答えました。ご存じのように高橋選手は、シドニー・オリンピックで金メダル、ベルリン・マラソンでは二時間二〇分を切り、当時の世界新記録樹立という、女子マラソン界の快挙を成し遂げた選手です。
今から四二キロという長丁場に向かう時に、「あと四二キロもある、大変だ」ととらえるのではなく、「あと四二キロしかない」と言えるほど、その何倍も、何十倍も練習を重ねてきたからに他なりません。
向かうべき山が小さい丘にしか見えない、まさに、試練が宝に見えるほどまでに心を整えて生きるとは、何とすばらしいことでしょう。
逆に、あなたが生活の中で「大変だ」「困難だ」と思うなら、それは、日々の歩みに対する『段取り八分仕事二分』を忘れ、いきなり問題に向かうからです。
心することは、よくみ言葉に親しみ、多くの時間を祈りに費やすことです。すると、折に適った知恵が与えられ、優先順位が見えてきます。その時に、問題が小さく見えるようになります。
試練や困難が、喜び、宝となるような歩みを、日々、心がけていきたいものです。
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三つの生き方 (12月14日)
人生には幾度となく豊かなチャンスが到来します。ただし、それは予告なしに来ます。そのチャンスに対して、次の三種類の対応があります。
一、チャンスに気づかない人。チャンスは風のようにそっと来て、あっという間に去ります。ですから、心の目を開いていないとチャンスが見えない、聞こえない、感じないことになります。しかも、チャンスは、困難や試練を装って来るので、愚痴や不平に変えてしまうのです。「いつもチャンス」という心の姿勢が大切です。
二、チャンスを逃す人。チャンスが見え、生かそうとしますが、釣り上げた大魚を最後の一瞬で逃す人のように、自分のものにしきれない人です。これはひとえに経験不足です。「チャンスを生かせない」という自信不足も、逃してしまう要因の一つです。「私はできる、主にあってできる」といつも宣言したいものです。
三、チャンスを生かす人。人が見落とすような出来事をもしっかりと見極め、試練と思えることを豊かな宝にする人です。このような人は、何事も「させていただいている」と身が低いので、チャンスが水のように流れ込んできます。
チャンスを見いだし、宝に変え、味わい、他の人々にお分かちする歩みをしていきたいものです。 |
クリスマス (12月21日)
クリスチャンでない日本人の方々に「日本のクリスチャン人口は何パーセントぐらいと思いますか」と尋ねると、おおかたの人が「一割弱」と答えます。しかし実際は、10人に一人はおろか、100人に一人でもなく、実に0.1パーセント弱、1000人に一人にも満たないのが実情です。にもかかわらず、人々がこのような数字を上げるのはなぜでしょう。おそらく、ミッション・スクールをはじめ、日常生活の中で、キリスト教的影響が大きいからでしょう。
時、あたかもクリスマス。デパートでも、お寺の幼稚園でも、町中がクリスマス一色となります。しかし、クリスマスとは何か、さらに、キリスト誕生の真の意味については、皆目ご存じないのが一般の方々です。
クリスマスの時こそ、本物のクリスマス、すなわち、地上に来られた神、イエス・キリストが救い主であり、あなたの人生を豊かにする鍵であることを伝える最大のチャンスです。
25日のクリスマス燭火夕拝(キャンドル・サービス)には、どなたかをぜひお誘いくださり、伝道の機会といたしましょう。
きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになっ
た。このかたこそ主なるキリストである。(ルカ2:11)
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自分として生きる (12月28日)
近代科学における典型的な生き方は、出来事と自分の関係を完全に切り離すことです。
目の前でお子さんを交通事故で亡くされた方が、「なぜ、わが子が」と嘆かれた時、「出血多量で亡くなりました」と答えることは、普遍的、自然科学的な手法であり、個人との関わりを切り離している答えです。
人間は、理解とは別に、納得(腑に落ちる)という世界も持っています。いつの時代、だれが見ても、理解し得る科学的な考え方と同時に、私との関わりの中、一人称で物事をとらえずにはいられないのが、心ある者の特徴です。
現在、日本は物が豊かで、他の貧しい国々と比べて有り余る生活をしています。しかし、にもかかわらず、不登校児が多く、引きこもりの若者たちが百万人もいるというのは、命ある、一人称の生き方の喪失が原因です。
これを取り戻すために、一人一人は神の作品であり、生かされている存在であることに立ち返ることです。神との交わりの中で自分の位置を知り、自分ならではの生き方を構築することが鍵です。
今週も、神様との交わり(祈り)の中で、どんな時も大丈夫と生き、その生き方をまわりの人に伝えていきましょう。 |
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