2004年8月の霊想
しもべ聞きます (8月1日)
現代人に求められる能力は、大切な情報をしっかり聞く能力です。「話し上手は聞き上手」と言いますが、話し上手に共通していることは、聞くことの達人であることです。「聞き上手」が最も大切なマスター・キーです。
「聞く」には三つのレベルがあります。
第一は、しっかり耳で聞くこと。聞くよりも語ることが多く、つい、耳ではなく口を用いていることに気づかないものです。聞き上手の土台は口ではなく耳、といつも心したいものです。
第二は、体で聞くこと。相手の方を向き、相手の語る口元をしっかりと見、語ることに心の目の焦点を合わせることです。講演会等に行く時には、できるだけ前の方に座る、すなわち、体全体で物事を吸収しようとする姿勢が、あなたに豊かさをもたらします。
第三は、祈りで聞くこと。つい、自分の思いで聞きがちです。しかし、自分の思いをはるかに越えた神様の思いが、自分の中心に留まるような聞き方をしたいものです。そのために、聞く前に、そして聞きながら、さらに聞いた後に、神様に「確かなことを聞かせてください」と祈ることです。
「しもべは聞きます。お話しください。」
(サムエル上3・10) |
生涯の学び (8月8日)
壮にして学べば老いて衰えず。
老にして学べば死して朽ちず。
学校にいる時だけが「学生」ではありません。生かされている間、学びは続きます。学びは書物を通してばかりでなく、身の回りのすべてのものが私たちに多くを語りかけてきます。ですから、アンテナをしっかり張り、最も必要なことにチャンネルを合わせ、聞き取っていきたいものです。
同じ状況にいながらも、何も感じない人や、むしろ、そこからマイナスを拾い出す人がいます。しかし、どのような状況の中からも宝を聞き取っていく、学んでいく人でありたいものです。
そのためには、「老にして学べば死して朽ちず」とありますが、聖書には「彼は死んだが、信仰によって今もなお語っている」(ヘブル11・4)とあるように、この世の学びだけではなく、すべてが変わっても変わることのない神の御言葉、聖書の言葉を、生活体験を通して学ぶことです。御言葉に学び続ける人は、その人がこの地上にいなくなっても、人々の心の中にいつまでも生き、希望、励ましを与え続けるのです。
そのような存在となるために、今週も、しっかりと御言葉を生活レベルで実践、体験していきたいものです。 |
あなたのオーダーはどっち? (8月15日)
ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子先生が、「なってほしい相手の姿、つまり、信頼に価する姿は、こちらの信頼によってのみ実現できる」と、次のように体験を語っておられます。
ある時、一人の学生から、「先生の靴は誰が磨くのですか。いつ見ても光っていますね」と言われました。それまでは、何の気なしに、汚れたら、と思って磨いていたのが、そう言われて以来、いつもピカピカにしておこうと、内側からエネルギーが湧いてきました。
私たちは、人がムッツリしていると、つい、「笑顔はどこに行ったの」とか、「何を悲しんでいるの」と、さらにマイナスを拾い、その世界に追いやるような会話をしがちです。しかし、消極的な思いで生きている時に、「最近、あなたの笑顔はすてきになりましたね」と言われ、それ以来、鏡を見て自分の笑顔を作るようになった青年の話を伺いました。
先の渡辺先生の話と同じように、ないものを「ない」と言うのではなく、先取りして希望をオーダーすると、その人の中から確かさが、必ず引き出されていきます。
この真理を生活の中で生かしたいものです。
「さて、信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見
ていない事実を確認することである」(ヘブル11・1) |
すべての道で (8月22日)
「すべての道で主を認めよ、そうすれば、
主はあなたの道をまっすぐにされる」(箴言3・6)
今年の一般講演会のタイトルは『道は開ける』です。すでに、4千名の方々が聞かれ、「人生の豊かな道が切り開かれた」と、前向きな応答をいただいています。ただ、一般講演であるために、人生論的なお励ましが主流になります。
そこで、「道は開けるとは?」と尋ねられたら、主に信頼するあなたはどのようにお答えになりますか。
なぜ、という思いや、自分ではとても受けとめられない、と思ったりするような、私たちの常識や能力をはるかに越えた出来事が人生には起こります。それが人生の道と言えます。そのような人生のあらゆる局面で道が開かれるのは、そこに主を認める時です。すなわち、どんなことも主の御手の中にあると信じて生きる時です。
しかし、道に主が伴われるだけではなく、道そのものが主ご自身であること―「わたしは道であり」(ヨハネ14・6)―を覚える時に、「道をまっすぐにされる」とのみ言葉が味わい深いものになります。
「一寸千貫」、すなわち、一寸角の割り箸のような木でも、垂直であると千貫の重みに耐えるように、今週も主にまっすぐに直結し、み言葉を生活の中で体感してまいりましょう。 |
良き仕事の三ヵ条 (8月29日)
ノーベル賞を受賞した、分子生物学者の利根川進さんは、良い仕事をするために次の三点を言われました。
一、重要な事をしようとする意志。
今日ほど情報過多の時代はありません。その中で最も大切なことを見いだすことが必要です。みんながしているから、あるいは、したいからという観点ではなく、「人生ですべきことは何か」と、重要点を見いだすことが賢明のようです。
二、他人より優れた何かを持っているという自信。
一人一人は体の部分のようです。目のような人、足のような人……。自分の持ち味は何かを見いだし、それを感謝を持ってフル活用することが人生のコツです。つい、自分にないものを探し求めがちですが、そのような無駄な時間を費やすことのないように、この真理をしっかりと心にとどめたいものです。
三、懸命に働く意欲。
つい「まあいいか」と全力を出さないで、十あるうち六つ、七つでとどめていることがあるものです。全力を尽くす時、そこに試練や困難がつきまといますが、必ず、その壁が破れ、さらなる器の大きい、可能性に満ちた人生が開かれていくのです。
世界的なノーベル賞を受賞することはなくても、生活の中で、あなた個人生活のノーベル賞を見いだしていきたいものです。 |
-
© 2024 Yonezawa Kojo Church