2004年9月の霊想

  伝えること、伝わること  (9月5日)

 ふと気がつくと、「どうして、こんなに説明しているのにわかってくれないのだろう」とつぶやいていることはありませんか。
 実は、「伝えること」と「伝わること」の間には大きな溝があるからなのです。その溝を渡るための、確かで強靱な橋は、「語り手の思いが聞き手の理解に合致していること」です。
 たとえば、小学生にサッカーを教えるコーチは、「まっすぐパスしましょう」とは言いません。「相手のボールを一度止めてからパスすると良いですよ。『ピタッ パス』です」 と言うそうです。
 また、ディズニーランドは掃除が行き届いており、その清潔さには定評があります。お掃除をする人に「きれいにお掃除をしてください」と言っただけでは、あのような最大の効果は発揮できません。ディズニーランドの掃除マニュアルには「ハイハイできる赤ちゃんが、ハイハイしても汚れないこと」と書いてあるそうです。
 豊かなコミュニケーションを築くためには、相手が納得し、相手がこちらの思い以上の効果を発揮できるような対話技術を、相手に求めるのではなく、まず、話し手自らが磨くこと、これが肝要のようです。
 今週も、心してまいりましょう。

  幻なき民は   (9月12日)

 「幻がなければ民は滅びる」(箴言29・18 欽定訳)
 人生で最も大切なことは、夢、すなわち希望を持って生きることです。「希望は失望に終ることはない」(ローマ5・5)との約束は何とすばらしい保証でしょう。
 夢、希望を持つには、次の四つの方法があります。

一、自分の長所を知る
 夢を見いだし、実現するコツは、神様から自分に与えられた特性をよく知ることです。短所を直すよりも、自分の長所を知り、それを伸ばすことです。

二、夢の達成者に真似る
 すでに夢を達成している人、自分の理想とする世界で夢を達成する人がいるならば、その人をよく真似ることも知恵のある方法の一つです。

三、今を全力で生きる
  まだ明確なビジョンがよく見えない人は、今、与えられている自分の状況を、感謝を持って、全力で生きることです。そうすると、夢の方からあなたを迎えにやって来ます。

四、祈り求める
 何よりも、確かな未来は御手の中にあり、神様から来ますから、祈り求めることが、夢を見いだす大切な条件であることを心に刻みましょう。

  人生はくりの味 (9月19日)

「ゆっくり」
 「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」という道ばたの標識のように、人生を、あてもなくただ急ぐことに情熱を傾ける人がいます。神の作品として、感謝を持って生きることをしっかり知り、この人生の目的に徹する時、ゆとりある生き方が深められます。

「やりくり」
 やりくり上手は生き方の大切なポイントです。お金、時間、心配りなど、何事もやりくり上手でありたいものです。そのためには、ただボンヤリと事をするのではなく、与えられた状況で工夫に工夫を加えることです。
 二人の人が、「ポットにお湯を入れて」と頼まれました。一人はすぐやかんに水を入れて沸かしました。もう一人はまずポットの口まで水を入れ、それをやかんに移して沸かしました。あなたはどちらのタイプですか。

「じっくり」
 ゆっくり、やりくりを心に留め、繰り返し、コツコツかつコツコツとやり抜くじっくり人生は、忍耐の一語に尽きます。「神の御旨を行って約束のものを受けるため、あなたがたに必要なのは、忍耐である」(ヘブル10・36)

 以上の三つを心にとめる人は、人生にがっくりすることは決してなく、その祝福にびっくりするでしょう。

  聖書を読むことのできる恵み  (9月26日)

 私たちは、何の苦労もなく、いつでもどこでも、自国語で聖書を読むことができます。しかし、聖書の歴史を紐解く時、次の事実を記憶にとどめたいものです。
 聖書がラテン語で書かれ、聖職者のみに占有された15世紀末。ウィリアム・ティンダルは、多くの人々に御言葉をお分かちしようと、生涯を捧げました。
 一四五四年にロンドンで翻訳。頒布をと願った折、教会指導者の怒りを買い、危険が身に迫り、ドイツに渡りました。そこで印刷し、各国へ輸出しましたが、ほとんど没収されて焼かれてしまい、現在では、完全なものは二つしか残されていません。
 一五三五年、友人の裏切りにより彼は捕らえられ、ブリュッセル郊外の城に投獄されました。キリストのみが救いをもたらす、という彼の信仰信念を正すように迫られましたが、彼は、神を侮辱するよりも天国で主に出会う方がよいと、火あぶりになりました。最後の祈り「神よ、イギリス王の目を開いてください」という言葉を残して……。
 彼の死の二年後、彼が翻訳した聖書の出版がイギリスで許可され、一般の人が、今日の聖書の基、欽定訳で読むことができるようになりました。

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