2009年1月の霊想

  もっとも大切なもの  (1月4日)

 人間に大切なものは…健康、お金、人間関係…もっとも大切なものは愛でしょうか。しかし、愛を超えて大切なもの、それは命です。「自分の命を損したら、なんの得になろうか。また、人はどんな代価を払って、その命を買いもどすことができようか」(マタイ16・26)とあります。
 ところが、命よりもっと大切なものがあります。自分を犠牲にしてでも他者を慮(おもんぱか)る《いつくしみ》です。
 《いつくしみ》にはいくつかのレベルがあります。例えば、車イスの方が道を尋ねて来た時、まずは丁寧に説明してあげること。次のレベルは、言葉だけではなく地図をお渡しし、道順を丁寧に説明してあげること。そして期待以上の応答は、エレベーターのボタンを押してあげたり、道の説明をしながら車イスを押してあげる等、予想外の、相手が考えもしなかった対応もあります。
 あなたならどのような対応をなさいますか? その時、その状況によって、方法・手段はまったく異なりますが、いつくしみのエネルギー、その方法は無限です。
 私たちは皆、いつくしみを分かち合うため神に造られました。しかし、神から離れたため行う力がありません。
そのような私たちが、もう一度、キリストによって買い戻される時、いつくしみ豊かな生き方に招かれます。そして分かち合う一週間があなたに備えられています。

  はっきりと分かりました  (1月11日)

     焚火(たきび)の温かさは
     焚火に手をかざした
     その時に
     はっきりと分かりました

     焼きいものうまさは
     焼きいもを食べた
     その時に
     はっきりと分かりました

     キリストの愛は
     キリストを信じた
     その時に
     はっきりと分かりました
                     水 野 源 三

 米沢興譲教会に集う方々の特色は、神の愛、神の働きを知識や感情で理解すると共に、水野さんの詩のように現場で実体として生きておられることです。理解することが頭から体全体に染み渡り、あなたのさり気ない言葉や振る舞いの中に神様が見えるのです。あなたは「神の作品」ですから。
 今週も良き香りを放ちつつ・・・。

  新3K  (1月18日)

 ひと頃、〈3K〉という言葉が話題になりました。元々は、【ガテン系】という、肉体労働を主とする職種について言われたものです。「きつい(Kitsui)」「汚い(Kitanai)」「危険(Kiken)」の頭文字をとって3K。
 私は新しい年に新たな3K「感情(Kanjo)・過去(Kako) ・慣習(Kanshu)」を提唱します。
 私たちはつい、理性ではなく、感情に流されがちで、一時の好き・嫌い、快・不快に心を奪われると、問題や人間関係はこじれるばかりです。
 いつも向かうべき方向を定かにしていれば、感情に翻弄されることもなくなります。過去に捕らわれ、「あの時、このようにしていれば、このようであったならば」と後ろばかり見つめるのではなく、神様が与えてくださっている無限の可能性に満ちた未来に目を向けることです。なぜなら神様は、あなたの将来を豊かに祝福する、と約束しておられるからです。
 感情と過去が整理されても、長年慣れ親しんできた悪しき慣習が障害となることもあるでしょう。意識して良い習慣を身につけないと悪い慣習に未来を乗っ取られてしまいます。
 行動も、思考も、神様との霊的な交わりも、良い習慣の中で育まれることを心したいものです。

  わずかなものに忠実  (1月25日)

 愛知県豊橋市に、直径〇・一四七ミリ、重さ百万分の一グラムの歯車を作った樹研工業という会社があります。
 そんな極小歯車を何に使うのか……と思うのがふつうです。しかし、精巧な技術が評判を呼んで、国内どころか、海外からも引く手あまたで、マイクロパーツのトップ企業としてこの会社は発展しています。
 この会社が教えてくれるのは、小さな、あまり価値のないと思うようなことでも、心を込めて全力を尽くすことの大切さです。「自分は小さな人間で、世の中の何の役にも立っていない」と卑下する人にこそ、知ってほしいことです。
 人は、「自分のような無益で小さき者」と、自分自身に対して幻滅を感じることがあります。しかし、どんな自分であれ、自分自身と向き合い、等身大の自分をいつくしみ、大切にすることが、すべての出発点です。そして、これが人生を豊かにする鍵です。
 神様も、「わずかなものに忠実であったから、多くのものを管理させよう」と、今日もあなたに語っておられます。イエス・キリストを十字架にかけてまであなたを愛してくださっている神が共におられ、あなたを認め、大切にしておられます。小事にも心を込め、自分をいつくしみましょう。

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