2009年7月の霊想

  五感で味わう  (7月5日)

 教会に来られているAさんは、和菓子店を経営しておられます。季節が変わる度ごとに和菓子をお届けくださり、「ぜひ、五感で味わってください」と言われます。
 「五感で」とのAさんの言葉に応じ、見て楽しみ、食べて楽しみ、触れて楽しみ、香りを楽しむ……。そこで最後に「聴覚」という言葉を思い起こし、「音で和菓子を楽しむとはどういうことなのか」と考えてみました。
おせんべいならばパリパリという音。でも柔らかい和菓子にはその音もありません。
 そこで、Aさんに「音で和菓子を楽しむとはどういうことですか」と伺うと、逆に「音で楽しむとはどういうことだと思われますか」と問われ、しばし考えました。
しかし良き答えが浮かびません。するとAさんは、ほほえみながら「和菓子は季節感を様々に表現しています。
ですから、召し上がる度ごとに季節の音を聞いていただくことができるのです。それが聞こえますか」と尋ねられ、この問いにハッとしました。
 クリスチャンが聖霊に満たされて歩む時、世界を、人生を、五感で味わうことができます。和菓子を五感で味わう以上に、この一週間も、Aさんのヒントを思い巡らしながら主の恵みを味わい、味わうのみならず、どなたかに伝えつつ時を過ごしてみてください。

  歴史的作品  (7月12日)

 J・K・ローリングは明日の食べる物にも事欠き、請求書の支払いで四苦八苦しているシングル・マザーでした。ある時、列車で旅している中で本のアイデアを思いつき、さっそく書き始めました。原稿が完成し、出版社に持ち込みましたが、どの出版社からも即座に断わられました。その中でただ一社だけ原稿を引き受けてくれました。その時、歴史的ベストセラーの一冊『ハリー・ポッター』が誕生したのです。
 私たちは、自分自身を認めてもらおうと、いろいろな人に掛け合います。でもなかなか認めてもらうことができません。ともすると、かえって傷を負うことになります。しかしそれは当然。互いに認め合ってほしい人間同士ですから、その願いはかないません。
 しかしただ一人、あなたを造られた神様だけは、どんなあなたも受け入れてくださり、神様の目からあなたはいつも高価で尊く、「あなたが大切だ」とおっしゃっています。
 人にではなく、創造主なる神様にあなたの人生を預け、あなた自身の価値を神様に問うことです。そこから、あなたの人生史上、稀に見る豊かさが始まります。
 今週も、私たちは皆、神の作品であることを覚え、歩んでまいりましょう。

  信仰の決断 (7月19日)

 七月になると思い起こすのは、今から七〇年ほど前、ロシアに隣接する小国リトアニアの首都カウナスの領事館で働いていた、領事代理・杉原千畝(ちうね)氏のことです。
 杉原氏は、七月十八日早朝、ポーランドからやってきたユダヤ人難民が、日本を通過するビザを求めて領事館を取り巻いている光景に出会ったのです。その後、その数は膨れ上がるばかり。そして、七月二十五日、とうとう、日本政府の反対を押し切り、日本経由でアメリカに行くビザの発給に踏み切りました。
 やがて、領事館は閉鎖の命を受け、杉原氏はリトアニアを退去しなければならなくなりましたが、その間にもビザを発給し続け、九月五日、ベルリンに向かう列車の発車間際まで、窓越しにでもビザを書き続けました。杉原氏が発給したビザにより六〇〇〇人の難民の命が救われたのです。
 当時は、日本国の訓電に違反すると、昇進停止、あるいは、馘首(かくしゆ)が待ちかまえている時代でした。しかし、杉原氏が自分の人生をかけてビザを発給したその理由は、彼の信仰でした。洗礼を受け、クリスチャンとなられたその信仰心こそ、彼の決断の論拠と言われています。
 今週、このような信仰の先輩がいたことを心に覚えたいものです。 

  渋みのある人 (7月26日)

 日本人なら誰でも、日に何度か日本茶を召し上がることでしょう。
 日本茶は、よい茶葉に、ほどよい湯加減でいただく第一煎で甘みを味わい、第二煎では苦みを味わい、最後に茶の渋みを味わう、と言います。
 人生はお茶の味わいに似ています。
 人生の楽しみを求めて努力しますが、その向こう側には予期しない苦しみがあるものです。まさに「苦みを味わう」ということでしょう。しかし、耐え忍び続けていくと、そこに渋みの世界が培われます。人物を評して、「あの人は渋みのある人」と言い、深みのある、重厚なお人柄を表します。
 深みのある人柄、渋みのある人生を生きるためには、忍耐こそが勘どころです。
 北京オリンピックの男子マラソンで、ケニアのサムエル・ワンジル選手が優勝しました。彼が仙台育英高校に留学していたことも話題になりました。金メダリストとしてインタビューを受けた折、優勝できた理由について尋ねられ、ワンジル選手は「日本で我慢することを学んだから」と答えました。
 今週も、しっかりと忍耐し、渋みのある人生へと心がけたいものです。

-

© 2021 Yonezawa Kojo Church