2012年5月の霊想

  意味探しの目  (5月6日)

 旧約時代、神に背いたイスラエルの民は、故郷から遠く離れたバビロンに捕囚されました。神は、「時が来ればその繁栄を回復し、元の地に戻す」と約束なさいました。ただし、「あなたがたが一心にわたしを尋ね求めるならば」という条件が付いていました。これは、「イスラエルの民が反逆の罪を悔い改め、神が与えた捕囚という出来事に意味を見出しなさい」ということです。
 事が思うように運ばない時、「なぜだろう?」と原因を探します。素晴らしい方法です。これによって自然科学が発展し、人類に大きな恩恵をもたらしました。
 しかしこれが、「こうなったのは誰のせい?」という「犯人探し」になると、なかなか良い結果を生みません。エデンの園で食べてはならない善悪を知る木の実を食べ、罪を犯した人間がしたことがこれでした。アダムはエバのせいだと言い、エバはヘビのせいだと責任転嫁をしたのです。結果として人間は楽園を追われた、と聖書は記しています。
 「一心にわたしを尋ね求める」とは、この出来事にどのような意味があるのか、神が私に与えたこの状況にどのような祝福があるか、と尋ね求めることです。
 神はあなたの繁栄と回復を願っています。惨めさを見ている目を「意味探し」をする目へと使い方を変えていきましょう。

  信仰の母として生きた人  (5月13日)

 ローズ・ケネディは、1890年、市長の娘として生まれました。何不自由なく育ち、のどかである反面、活発な少女でした。彼女はジョー・ケネディと結婚。ジョーは実業家として成功し、後に駐英大使にもなりました。
 それ以後、ケネディ家の母ローズが小説以上の多くの辛酸をなめた出来事をあなたもご存じでしょう。9人の内4人の子どもに先立たれました。長男を戦争で失い、次男ジョン、三男ロバートは暗殺され、次女キャスリーンを飛行機事故で亡くしました。そのような中、彼女を支えたのは『主の宮に住む』の厚い信仰心でした。彼女を「アイアン・ローズ(鉄のバラ)」と人々は呼びますが、ケネディ大統領がダラスで暗殺された時も、「振り返ってはいけません。私たちはこれからも前進を続けます」と言いました。
 うち続く悲しみの中、「神の与えた人生は、あなたが何を選択するかです」と語り、「恵みといつくしみ」を選択し続け通しました。その信仰を貫いた彼女は、1995年1月25日、104歳6ヶ月で天に凱旋しました。娘ユーニスが「母は最大の教師でした」と弔辞を述べたように、ローズの確かなキリストの愛に満ちた証しは、残された実でわかります。
 彼女に信仰を与えてくださった同じ神が、あなたにも、今週、豊かな恵みを備えておられます。

  主客を戻して  (5月20日)

 生き方にはさまざまな立場、形があります。感動を味わう人、感動を与える人、感動を生み出す人等々……。生き方でも、ただぼんやりと時を過ごすと、不平不満が生まれ、味わい尽くすことのできない感動に満ちた人生を見落とすことがあります。
 どうしたら味わい深い人生が見え、それを感じ取り、生きることができるのでしょう。
 そのためには、今日も「生きている」のではなく、「主にあって生かされている」ことを、くり返し口に出して自らに語ることです。すなわち、『自分の人生の船主は神様であり、私はその船長』という関係を逆転させないことです。
 しかし、気を抜くと、ついその立場が逆転し、『自分が船主で神様が船長』となってしまいます。そうなってしまったことに気づかされる度ごとに、くり返し主客を変えることです。
 これを、悔い改める、と言います。
 私たちは『この世』に生かされていますから、生かされている限り、残念ながら主客転倒は続きます。ですから、的確に迅速に、ひっくり返った主客を元に戻すことが、輝いて生きる人生のコツに他なりません。
 今週も心して歩みたいものです。

  霊的リハビリ  (5月27日)

  
  苦しみにあったことは、わたしに良い事です。
  これによってわたしはあなたのおきてを
  学ぶことができました。   (詩篇119・17)
 現代医学は早期離床・早期リハビリを目指します。既に治療がなされているにもかかわらずベッドに寝ている状態を続けると、様々な合併症が出現し、起き上がることさえ困難になることがあるからです。「手術後の人には厳し過ぎるのでは…」と思うかもしれませんが、むしろその方が術後の経過が良く、元の生活に早く戻れることが証明されています。
 右記の御言葉は、その霊的リハビリの言葉です。
 試練の中にいる時は苦しいものです。神の意図が見えず、「なぜこうなった?」「いつまで続くのか?」「答えはどこか?」ともがき苦しみ、葛藤します。そのただ中で、「苦しみにあったことは、わたしに良い事です」という御言葉を聞きます。とても良いとは思えない時に「良い事です」と言うことは、自分に嘘をついてごまかすかのようで、大変辛い作業かもしれません。しかし、一〇〇%そう思えなくても、「神が、聖書がそう言っているから」と自分を励まし、自分に語り聞かせます。霊的な早期離床・早期リハビリはこの第一歩を経て始まります。
 神の言葉に信頼し、一歩踏み出す勇気が与えられますように……。

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