2021年7月の霊想

あなたが確かめられる時(7月4日)

上甲(じょうこう)氏は働きに行き詰まり、答えを求めてマザー・テレサを訪ねました。当時、インドのカルカッタ(現在のコルカタ)では200万人が路上生活者で、至る所に行き倒れた人がいました。全身膿だらけの人、ウジ虫のわいている人……とても近寄れません。マザーたちは、一番死に近い人から順番に抱きかかえ、「死を待つ人の家」に連れて行き、体をきれいに洗い、温かいスープを与え、見送るのです。最後の瞬間は人間らしく、と願ってのことでした。

上甲氏はマザーに、「あなたがたは、なぜあの汚い物乞いを抱きかかえられるのですか」と尋ねました。マザーは即座に「彼らは物乞いではありません」とおっしゃるので、驚いて「では何ですか」と聞くと、「イエス・キリストです」と答えたのです。「イエス・キリストは、この仕事をしているあなたが本物かどうか、あなたが本気かどうかを確かめるために、あなたの一番受け入れ難い姿であなたの前に現れるのです」。上甲氏は目からウロコが落ち、その瞬間、彼が働く松下政経塾で「辞めてほしい」と思っている塾生が、実は、イエス・キリストであることに思い至ったのです。

他人や状況ではなく、自分自身が変えられてこそ、人生の本道です。毎日の生活で、これさえなければ、この人さえいなければ、という状況の中にキリストを見いだす歩みを、今週もしてまいりましょう。

魅了されて生きる(7月11日)

人口の日本一少ない県に住む長野さんは、時代の流れにあらがえず、明治創業の自分の店を廃業し、売りに出しました。しかし、「このような所では、100%売れない」と本人もまわりの人々も思っていました。

ところが、買いたいという人が現れました。その方はフランス人で、この町の海と山に魅了され、この家をゲストハウスにしたい、と言うのです。彼は「この町を深く愛しています。町の発展にも尽くせることは喜びです」

と語りました。長野さんは「この街に生まれ育った自分が町を捨て、外国人のこの人が、この町を愛してくれるとは」と、目頭が熱くなりました。

そして一年後、ゲストハウスとしてオープンしました。

これは、み言葉「人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安」の現代版そのものです。あなたの人生にも、捨ててしまいたいような、価値がなくゴミに思えるようなものが、時としてあるものです。しかし、「万事相働きて益となる」と天の窓から見ると、すべてのものが神様の栄光のために備えられているのです。

今週も、日々の祈りのうねりをさらに強くし、主に信頼して前進してまいりましょう。

あなたの細胞をオン!(7月18日)

人生はマラソンにたとえられますが、一度走り出したなら、優勝を目ざしたいものです。

原裕美子さんは、ランナーとして死力を尽くして努力しますが、良い結果を得られませんでした。その折、所属する団体の会長、稲盛氏に次のように質問しました。「私はどうしても恐くて、うまく走れない。どうすればその恐怖に勝てるのでしょうか」。会長の答えは、「原君、人の体の中にはたくさんの細胞があって、それは気持ちでコントロールできる。でも、良い細胞と悪い細胞があるんだよ。自分が強い気持ちを持っていれば、その細胞が良いふうに動くけれど、弱気になってしまうと、それが悪い細胞になって、体が自然に動かなくなってしまうんだよ。自分の気持ち次第でどうにでもなる。だから、気持ちで負けずに、最後まで強気で走ってごらん。必ず結果がついてくるから」。原さんは、この言葉通りに挑戦し、次々とマラソン大会で優勝を成し遂げたのです。

遺伝子の解析で有名な村上和雄氏も、まったく同じ事を、すなわち、「あなたの細胞をオン、オフにするのは、あなたの祈りによるのだ」と語っておられます。

今週も、み言葉と祈りによってスイッチをオンにし、あなたの走るべき行程を前進してまいりましょう。

プライドの正体(7月25日)

「『お前はプライドが高い』と言われたので、プライドを下げたいのですが……」

この質問に、あなたはどのようにお答えになりますか。

「高いものを下げる」という手法はわかりやすいですが、これを「高く・低く」という比較(二元)の世界で考えるだけでなく、一元の世界で考えると、さらに有効な回答に導かれます。

プライドは自分の中にあるように思いますが、その正体は、実は「他人の目」です。だからと言って、自分自身を、他人の目の前や状況に置いて変革していくことは、根本的な変革ではありせん。

鍵は、自分自身の拠り所を、創造主なる神様との関係のみに置き換えることです。この世界は、神様に祈り求める時、聖霊様を通して必ずご自分のものにできます。この世界を生きると、他との関係を切るのではなく、神様との関係の中、「あなたの存在は大丈夫」といつも語られる聖霊様の声の中に他人との関係が生まれます。同時に、他者をあなたの自由と喜びの世界にお招きできるのです。

主だけを仰ぎ見つつ歩む時、気がついたらプライドの世界を後にし、自由の世界に向かって共に歩き出していることでしょう。今週もこの本道を主と共に……。

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