2023年10月の霊想

小さな「はい」(10月1日)

周りの人から教えていただける人物、周囲が快くあなたに教えてくれるようになるにはどうしたらいいのでしょう。そのためには謙遜に従う小さな訓練の積み重ねが鍵となります。

ある名優のエピソードです。出番待ちで舞台袖にいると、若手の俳優から「先輩、靴の紐が緩んでいますよ。危ないんじゃないですか」と言われました。「あ、そうだね。親切にありがとう」と言って、彼は靴の紐をギュッと結び直しました。後輩の若手俳優は満足してその場を去りました。

するとまもなく、名優は靴の紐を緩め始めました。周囲の人がなぜかと尋ねると、「この場面は遠いところから帰ってくるところなんじゃ。そしたら靴の紐は緩んでいなければおかしいじゃないか」と答えました。当然周りから「ではなぜあの若い俳優の言うことを聞いたのですか?今おっしゃった理由を言って靴紐はそのままのほうがいいと教えてあげればよかったのでは…」という声が上がりましたが、それをるようにして、名優はこう言いました。「もしそんなことをしたら、私は彼から二度と教えてもらえなくなるんだよ」。

小さなことに「はい」と従う人には、周りからアドバイスが集まってきます。今週、私たちが小さな「はい」を言って、従うことができますように…。

 

愛の横糸(10月8日)

中島みゆきさんの『糸』という歌は、世代に関係なく広く歌われています。「縦の糸はあなた、横の糸は私」。人間が人との暖かい交流によって力づけられるのは、時代に関係なく同じです。

 神は人間に、人間同士の間の横の交わりを与えられ、集まれ、集え、と奨励しています。「ある人たちがいつもしているように、集会をやめることはしないで互に励まし、かの日が近づいているのを見て、ますます、そうしようではないか」(ヘブル10:25)。

 ここに教会が存在する目的のひとつがあります。父なる神様との縦の関係、そして、クリスチャン同士の交わりという横の関係。この縦糸と横糸とで織りなされた布が信仰生活であり、人を暖め、力づけるものとなります。

 戦後まもなく、鉄道自殺を図ったI姉は未遂に終わり、身体に大きな障害を持つ身となりました。教会の牧師は、I姉を訪問し、キリストの救いを説きました。後に彼女は「死ぬことが一番良いことだと思っていたが、イエス様を信じて、死をとどめてくださって、『生きていくんだよ』とイエス様が直接私に話しかけてこられたような気持ちになった」と証しておられます。

 神への祈り、そして人との交わりによって強められたI姉は、長寿を保ち、天に凱旋されました。今週も祈り祈られ、愛の交わりを持つ日々として参りましょう。

向こう岸へ渡ろう(10月15日)

「さてその日、夕方になると、イエスは弟子たちに、『向こう岸へ渡ろう』と言われた。」(マルコ4:35)

 

ガリラヤ湖周辺は天候が激変しやすいことで有名です。イエス様はこれから暗くなる一方の夕方、「向こう岸へ渡ろう」とおっしゃいました。

神の招きに対して、「神共にいませば何かあらん」とクリスチャンは勇躍します。しかし、その時味わう平安は、我力を土台としていることがよくあります。真に神に信頼を置いていれば、激しい突風で波が舟の中に打ち込んできても、イエス様と同様にぐっすりと眠っていられるはずです。しかし、私たちは驚きあわてます。祈ったはずなのにどうしてこういう結果になるのかと神様がわからなくなり、袋小路に追い込まれるのです。

自分の生活を支える舟が沈没の危機に瀕し、自分の力ではどうしようもない、というところで弟子たちは「静まれ、黙れ」と風と海をしかりつけるイエス様の声を聞きました。大自然を治める創造主なる神の力と権威を持ったイエス様を初めて発見したのです。

我力ではなく、この方のみを頼みとして生きることを教えるために、「向こう岸へ渡ろう」とイエス様はあなたに語られます。今週も主イエスを信頼し、真の平安に満たされる日々を送ってまいりましょう。

裁きの向こう側(10月22日)

経営の達人の松下幸之助さんは、部下を叱って叱って叱り抜くことで有名でした。松下さんに怒られた社員は身が凍るような怖さを感じたと言います。それは、松下さんが真剣に仕事にも社員にも取り組んでいるがゆえの迫力が出ていたからです。

しかし、神の裁きのような1時間、2時間が過ぎた頃、「君の力があれば、できたはずやないか」「君はもう充分にわしの考え方を理解しとるはずや。理解しているくせに、こういうことをやったらアカンやないか」と絶妙のフォローがあるのです。部下はそのことで救われ、「期待されているから叱られているのだ」と理解し、やる気が起きたと言います。

神が語る滅びの預言も同じです。人を全く滅ぼすためではなく、その人をきよめ、新しい命に生かすために神は語っているのです。そのために、神はひとり子イエス・キリストをこの地上に遣わし、私たち人間の身代わりとして十字架につけられました。そして、キリストの十字架の死は私の罪の身代わりのためであったと信じるだけで、罪ゆるされ、新しい永遠の命が与えられるのです。ここに「その日、主の枝は麗しく栄え」(イザヤ4:2)という情景を見る人生の道が開かれています。

今週も神の正しい裁きの向こう側にある、罪赦された喜びの毎日を送ってまいりましょう。

堅く立つ(10月29日)

「わたしの歩みはあなたの道に堅く立ち、わたしの足はすべることがなかったのです。」(詩篇17:5)

 

あなたが神からアイディアを与えられ、それがどんなに素晴らしくても、必ず誰かに否定されたり批判されたりします。時には、その筋の専門家から「不可能だ」と決めつけられます。それに賢く対処するにはどうしたらいいのでしょう。今日の聖句はそのヒントを述べています。

今では生活必需インフラとなった宅配便ですが、当初、ヤマト運輸の役員は、小口貨物は手間がかかって採算性が低いと猛反対しました。しかし、小口の荷物を送る主婦たちが不便をしている状況を知る小倉社長は、「人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」(マタイ7:12)とのイエス様の言葉を仕事上でも実現したいという熱い思いを持ち、実現に奔走したのです。

否定的攻撃に対しては、肯定的思いに堅く立つことが鍵です。行く手を阻む障害物は、神があなたの道に送り続けるサポートが増えるごとに消えていきます。神様が与える成功が積み上がるごとに、反対勢力は縮んでいくからです。「わたしの歩みはあなたの道に堅く立ち」とはこのことです。

今週も主イエスと共に勝利の道を歩んで参りましょう。

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