1999年8月の霊想

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   左の頬をも向けて  (8月1日)

  しかし、わたしはあなたがたに言う。悪人に手向かうな。
もし、だれかがあなたの右の頬を打つなら、ほかの頬を
も向けてやりなさい。
           (マタイ五・三九)
                          
 最近、教会に集われているAさんが、「イエス様を救い主と信じ、日々、祈りの生活を始め、人生が一八〇度変えられました」と、目を輝かせながら話してくださいました。特に、短気で、すぐ怒りを表してしまうため、これまでの人生、人間関係で、また、お働きの中で、どれほどの損失を被ったか、計り知れなかったそうです。
「そのような私でしたが、不思議なことに、右の頬を打たれる時、他の頬を向けるだけの忍耐、強さを、主の偉大な力によって得ることができました。その秘訣は日々の祈りです」と、確信を持っておっしゃるのです。  
 右の頬を打たれることは、侮辱を意味していました。普通、右利きの人が相手の頬を打とうとすれば、相手の左頬を打ちます。相手の右の頬を打つためには、手の甲で逆に打たなければなりません。イエス様がおっしゃった当時、これは、『二倍の侮を意味していました。それでも、左の頬を向けてやりなさいと言うのです。 
 「このことができる自分に、神の奇跡を見る」とおっしゃるAさんに、神にある真の強さを感じました。  

   仕 え る 祝 福  (8月8日)

会社で、ボランティア休暇制度を取り入れるところが増えてきています。阪神大震災の時、多くのボランティアが、近くから、遠くから駆けつけ、心からの奉仕を捧げたことが発端となり、私でも役に立つ、どんな小さな事でも、誰かの助けとなることができる、このことを、多くの人に実感してもらうため、設けたと言うのです。
 聖書に、「人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるためであり」(マタイ20・28)と、主イエスご自身が、私たちに仕えてくださったことが記されています。また、弟子たちの足を洗った後、「わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするように、わたしは手本を示したのだ」(ヨハネ13・15)と、私たちも他者に仕えていくようにとお命じになられました。  
 医学的にも、長寿の方は、何らかのボランティア経験者であるといいます。他者を援助・支援することは、強力な健康促進剤となり、他者をいたわり、思いやることにより、人生の目的意識が高まり、生きがいが生まれるのです。人は、生まれてきたからには、誰かのお役に立ちたい、どんな小さな事でも助けとなれたらと思うものです。神のかたちに創造された人間だからこそです。
 今週も、み言葉に信頼し、互いに仕えてまいりましょう。人間の思いをはるかに越えた世界が、あなたに開かれています。  (H・T)

   ありのままの勇気  (8月15日) 

人が悩んだり、苦しむ原因の一つに、ありのままの現状、自分を受け入れることができないことがあります。ありのままを受け入れるには、勇気が必要です。   
 十九世紀、当代有数の名医、シドニー・リンガーがいました。彼は、小動物を用いて心臓の収縮運動の実験を記録していました。ある日、普段なら30分ほどで弱っていく心臓が、数時間を経てもなお、収縮が保たれていました。手順はいつもと変わらない。結局、季節の影響と考えて、論文を提出しました。
 その後、彼の助手が初歩的なミスで、蒸留水を使うべきところ、蒸留水にはない成分を含む水道水を使用したことがわかりました。リンガーは、自分の論文の間違いを真摯に認め、蒸留水ではなく水道水を使ったことを述べ、さらに彼は、なぜ、心臓が保たれ続けたのかを考察し、リンゲル液が誕生しました。彼の、ありのままを正直に認める態度が、医学界に発展をもたらしたのです。
 私たちの現実でも、確信していたことが、実はみこころにそぐわないことを示されたりすることがあります。しかし、その時に、主が共におられるゆえ、恐れずに、ありのままの自分を認め、そこから宝を見いだしてまいりましょう。
 「恐れるな、わたしはあなたと共におる。」     
               イザヤ43・5  (K・W)

  豊かな人生の秘訣  (8月22日) 

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。
  すべての事について、感謝しなさい」。
        (Ⅰテサロニケ5・15~18)

  このみ言葉に、人生を豊かに生きる秘訣は、喜び、祈り、感謝の三つであると書かれています。
  喜びは、素直な心にもたらされる花です。忠告を受けたり、少し意に反する誤解を受け、いじけてしまうのではなく、いつも素直な心でいたいものです。Yさんは、大勢の前で、上司から自分の言い方を直されました。その時、「ありがとうございます」と、すぐ、教えられたとおりにやり直しました。その姿は清々しく、誰の心にもさわやかに響きました。
  感謝は、物事すべてを前向き肯定的に取るところからのみ生まれます。逆に、どのようにすばらしい事でも、否定的消極的に受け止めると、愚痴となります。
  右手に喜び、左手に感謝で生きる人生の中心は、祈りに他なりません。心の姿勢を自ら変えていこうとする思いと、それをやり遂げるエネルギーは、すべて、神様と絶えざる交わり(祈り)によってのみ、与えられるからです。
  今週も、喜び、祈り、感謝の一瞬一瞬を歩んでまいりましょう。

  氷の人、水の人  (8月29日) 

 氷は冷たく、堅く、簡単に形を変えることはできません。水は、どのような形にも収まります。
 氷という字は、水に点が一つ付いただけです。しかし、その一つの点があるため、不自由な人生を生きることになります。この一つの点とは、「我」を意味すると考えることができます。小さなこの我が、人生全体を狂わせてしまうことがあります。筆者は、一センチにも満たない、何ミリかの小さな石が尿管を走る時、のたうち回る痛さを体験したことが、数度あります。自分の思うとおりにしたい、という自我は、どんなに小さくても、人生を冷たく、不愉快にし、痛みをもたらすものです。
 イエス・キリストは「だれでもかわく者は、わたしのところにきて飲むがよい」(ヨハネ7・37)と言われました。この生ける水をたくさん飲み、いつも、この点なる小石を神との間のパイプにためないようにしたいものです。そのためには、み言葉に根ざし、絶えず祈り、イエス・キリストを心に迎えて生きることです。
 今週も、主と共にさわやかに歩んでまいりましょう。
「しかし、わたしが与える水を飲む者は、いつまで
も、かわくことがな  いばかりか、……その人のう

ちで泉となり、永遠の命に至る水が、わきあがる

であろう」。
(ヨハネ4・14)

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