2002年12月の霊想

  なりきって生きる (12月1日)

 思いを伝えたい時、あなたはどのような方法で伝えようとなさいますか。夫に妻に、子供に友人等に、自分の思いをしっかりと伝えたい時、多くの場合、言葉を用います。正確で適切な言葉が有効と考えるからです。
 しかし、『メーラビンの法則』でも知られるように、言葉では、わずか7%だけ伝わるのです。むしろ、その人の声のトーンや話し方が38%、その人からかもし出される雰囲気などが55%と言われます。すなわち、伝達されるものの93%は言語以外のもので占められています。
 二人の人生の達人、日野原重明氏と瀬戸内寂聴氏の対談の中で、お二人がそろって言われたことは、「人を引きつけるものはただ一つ、それは、生き生きしていること」でした。
 伝道も同じです。まさに、あなた自身が生き生きと、情熱を持って生きていることが鍵です。あなたが、伝えたい事そのもの、すなわち、み言葉になりきって生きることが、伝道の、確かな唯一の秘訣です。
 今週も、み言葉に生き、祈りつつ、主のいのちに輝いてまいりましょう。
 ペテロとヨハネとは彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい…金銀はわたしには無い。しかし、わたしにあるものをあげようナザレ人イエス・キリストの名によって歩きなさい」 (使徒3・4、6)

  成功は旅である (12月8日)

 千名の人に「成功とは到着地か旅か」と質問したところ、多くの人が「到着地」と答えた、という報告があります。あなたは、どちらとお答えになりますか。
 結果主義、成果主義のこの時代、「物事はプロセスではなく結果が問われる」という考え方が重きをなしているのかもしれません。もちろんこの考え方も大切です。トップで走っていても、ビリでゴールしては金メダルはもらえません。
 しかし、人生を考える時、一日一日、その時の出来事について神に祈り、力と知恵を活用しながら歩んで行くことも意味深く、「人生は旅であり、プロセスの一つである」という考え方も価値あるものです。
 聖書は、人生のゴールは恵みの時、祝福の日であり、その日に向けて進むことを勧めます。同時に「今は恵みの時」と、瞬間瞬間の大切さをも繰り返し語ります。あなたは今どちらの考え方を必要としているでしょうか。
 一心に、ゴールに向かって進むことも大切です。そして、その折々に、ふと立ち止まり、神様との交わりを持つ時に、人生は旅であり、ひとときひとときに価値があると顧みることも、あなたに新たなる視点を与え、そこに希望の光を得ることにもなるでしょう。
 今週はこのことに心をとめてみましょう。

  人生の財産を作る (12月15日)

 人生の財産は、あなたの「思考」の運用次第で、大きく増やすことも小さくまとめることもできます。人生では、様々なマイナスと思われる出来事に遭遇します。その一つ一つが、心の姿勢によって宝に変わります。
 まず、「弱さ」について考えましょう。弱さを認めることのできる人が、本当に強い人です。弱いからこそ強さにあこがれ、そのあこがれが、知恵という宝を生み出します。
 次は「悲しみ」です。悲しいのは物事に執着するからです。執着せず神様にお任せする心が成長という宝を生み、全く新しい視点で見たり、考えたり、感じたりすることができるようになるのです。悲しみを感じる時こそ人生の財産が生まれることを心したいものです。
 第三に「不安」です。だれでも、現実と向き合うのは嫌です。それは不安だからです。しかし、一歩進み出て現実と向き合う勇気が、ゆとりという宝を生みます。
 最後は「ピンチ」です。「ピンチは最大のチャンス」と言われるように、過去でも未来でもなく、今できることをしっかり考えることです。あきらめず、今、ここでできることを考えると、必ず方法は見つかるものです。経験や体験が、知恵に変わるからです。今週も、多くの財産作りを心がけてまいりましょう。

  クリスマスの日に (12月22日)

 私たちはみな羊飼いです。クリスマスの日、羊飼いたちは、野原から馬小屋へ、夜から朝に向けて、世の雑踏からイエス様に向かって走ります。
 生かされている間は、勉強や仕事、人間関係等で疲れ果てます。それゆえ、人はベツレヘムへ、慰め・インマヌエル(神共にいます)に向かうのです。また、クリスマスは、人生、どこに向けて歩むかを明快に示します。喪失と不確かな時代…健康の悩み、経済の試練から、変わることのない本物に向かって羊飼いは歩むのです。地上にあっては、できる者、強い者が優秀ですが、ベツレヘムでは、そのあるがままを受け入れ、あなたを名指しで呼んでくださるのです。
 羊飼いが幼な子イエス様の前にひざまずいたように、私たちもひざまずきます。博士たちのように、豊かな黄金も香ばしい乳香も効き目豊かな没薬もありません。しかし私たちは、あるがままの自分をキリストに差し出します。
 飼い葉桶は人生の拠り所であり、新たな明日への出発点です。この原点に立ち戻り、確かなエネルギーを得てまいりましょう。そして、新たな人生にキリストが伴ってくださり、キリストの弟子として歩むのです。
 今年のクリスマスも、あなたの人生にとって意義深いものでありますように。

  内住の神 (12月29日)

 神様を、ある人は、巨大な自動販売機のように考え、〈祈り〉というコインを入れてレバーをひねれば、神様が何かをくださる、と期待します。このような発想、このような考えの前提には、「神様は私たちの外にいて、私たちが求めているもの、必要としているものも外にある」という概念があります。そして「神様と自分はまったく別な存在である」という意識をますます強くしてしまいます。
 しかし、神様との関係、その本質とは、私たちが神様と一つとなることです。聖書は、繰り返し、神様が私たちの内に宿り、私たちの内に住まわれると語ります。
「あなたがたは神の宮であって、神の御霊が自分の うちに宿っていることを知らないのか」(Ⅰコリント3・16)
 たとえ私たちが不完全で不充分であっても、そのままのただ中に神様ご自身が宿っているのです。一年を振り返り、神様が遠い存在ではなく、内に住んでおられる方であることを覚え、改めて確認する時です。「私のような者」と、神様を遠くに感じる人ほど、神様は最も近くにおられ、すでに今、内に住んでおられることを覚えたいものです。
 内に住まわれる主と共に新年を迎えましょう。

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