2005年11月の霊想

  スタッフ日記  (11月6日)

 教会のスタッフにS兄がいます。彼の趣味であり特技はマラソンです。仲間から「走って何の得になるのか。神様の栄光は現されるのか」とからかわれることも多々あったようです。
 先日、I姉が、自分の人生を鍛え直したい、と埼玉より来られ、スタッフになられました。今までの幾多の試練の中で自分を慰め、励ましてくれた二匹の犬、モモコとナナコを伴ってのスタッフ入りです。犬を伴ってのスタッフ入りは、今回が初めてです。
 ところが、ナナコの方が、慣れない米沢の地に嫌気がさしたのか、脱走しました。というよりも、ふるさとに帰りたい、と思ったに違いありません。そこで、ふるさと・関東を目ざし走って帰ろうとしたようです。スタッフが探し、見つけたのですが、犬ですから、その足の速さに人間の足では追いつきません。ところがS兄は、どこまでも、どこまでもしっかりとナナコに伴走し、その犬が満足するまで共に走り抜きナナコは無事にI姉の元に戻りました。
 I姉は、スタッフの愛の深さと実体のある働きにいたく感動し、まだ滞在わずかなのに、「その恵みの多くを得た」と語っておられました。
 ほほえましい、教会での出来事でした。

  石井十次  (11月13日)

 お年寄りへの配慮をはじめ、福祉事業は、各方面に広く、そして深くなされている昨今です。
 まだ《福祉》という言葉も不十分な時代、クリスチャンとして孤児たちのために生涯を献げた石井十次がいました。石井十次は、キリストによる十字架のメッセージが福祉の土台であることを世間に強烈に示し、実践しました。また、単なる慈善事業とはとらえず、引き取った子どもたち一人一人の人生に深く関わろうと、全身全霊を傾け、この働きに一生を捧げた人です。
 福祉なしでは考えられないこれからの時代、石井十次が歩んだ信仰と実践は、私たちが最も学ばなければならないことの一つです。
 その石井十次の生涯を描いた映画、『石井のおとうさんありがとう』が米沢でも上映されます。『マツケンサンバ』で有名な松平健主演のこの映画は、あなたにとって見ごたえのあるものであると共に、あなたの人生にも大きな指針を与えることでしょう。
 すでに案内にありますように、今週19日、米沢市市民文化会館で上映されます。ぜひ、この良き伝道の機会にお友だちをお誘い合わせ、ご覧になってください。

  その一言(ひとこと)  (11月20日)

   その一言で 励まされ
   その一言で 夢を持ち
   その一言で 腹が立ち
   その一言で 泣かされ
   その一言で がっかりする

   ほんのわずかのひと言が
   不思議に大きな力持つ
   ほんのちょっとのひと言で

 あなたは先週、どのような言葉で励ましや夢を得、時には腹が立ち、がっかりなさいましたか。しかし、今週は、あなたのひと言で他者を励まし、夢を与えることができることは何とすばらしいことでしょう。
 〈道具言葉〉ではなく、〈いのち言葉〉を語るためには、言葉が肉体となったイエス・キリストご自身を仰ぎ見つつ走ることです。そのように生きると、腹が立つ時も、がっかりする時も、泣かされるような時も、あなたの内に喜びが泉のように湧き上がり、「善をもって悪に勝て」(ローマ12・21)とあるように、いのち言葉をもって人々に励ましを与え、また、夢を語る人となることができるのです。

  賢い人  (11月27日)

 AさんとBさんのお二人が、一緒に、人生を前向きに生きる話を聞いていました。すると「あ、その話、前に聞いたことがある」と二人とも語り手に答えました。
 Aさんは、そのお話を聞いただけで、以前と少しも変わっていませんでした。しかし、Bさんは、それから二年、聞いたことをしっかりと実践し、前とは見違えるほど人生が一変したのです。
 イエス・キリストは、「それで、わたしのこれらの言葉を聞いて行うものを、岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることができよう」(マタイ7・24)と語りました。
 私たちは、多くの情報を聞き、知識を倉庫に納め、その分量で何か賢くなったような錯覚をすることがあります。ところが、賢い人ほど貯め込むことはせず、自由でそして身軽で、その都度、独創的、創造的に生きるのです。
 あなたは今、毎日の生活で、何を実践していらっしゃいますか。
 「コツコツ、かつ、コツコツ」でしたね。一つのことにこだわり、こだわり、こだわり続け、今週も、深い井戸の完成を目ざして、飽かず、たゆまず、歩き続けてまいりましょう。

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