2005年12月の霊想

  人生戦略  (12月4日)

 人生を豊かに生きる秘訣は何でしょうか。一人一人の人生を戦いに例えるならば、それは、『戦略が万全である』ということに他なりません。
 戦略とは、計画的な毎日を生きることです。何をどのように為すか、ということを、大きく、そして細かく打ち立て、実践をすることです。
 また同時に、戦略とは、読んで字の如く、『如何に戦いを省略するか』ということです。何を為すかというよりも、何を為さないか、ということを考えることも知恵のあることです。
 人生を振り返る時、年が経つほど惰性に流され、不必要なこと、しなくてもよいこと、いや、してはならないことを為していることがあまりにも多いのが私たちではないでしょうか。
 あなたの人生の戦略はいかがですか。「思い立ったが祝福の日」、今日が、あなたの新たな祝福に満ちた人生の始まりの日です。
 今週も心してみたいものです。

   「さらに伝道者は知恵があるゆえに、知識を民に教えた。
    彼はよく考え、尋ねきわめ、あまたの箴言をまとめた」。
                              (伝道12・9)

  言葉が実体となる  (12月11日)

 日本の小山医師とアメリカのウェークフォレスト大学のロバート・コグヒル助教授らが、興味深い実験報告を米科学アカデミーで発表しました。
 それは、注射の針が刺さる時など、

  一、「痛くない」と患者に伝えた場合
  二、何も伝えない場合
  三、「痛い」と伝えた場合

では、人間の脳は痛みの感じ方が異なるというのです。すなわち、「痛くない」と思い込むと、実際に痛みが軽減するというのです。
 小山医師は、「《心頭を滅却すれば火もまた涼し》ということを、科学的に裏付けた」と語っています。
 「大変だ」と言葉で語り、また、「大変だ」という思いで生きると、その通りになり、逆に、困難な状況でも「大丈夫」と考え、そのように言葉で語ると、これもまたその通りになる。語った言葉が実際に身体反応となってあらわれる、という科学的な検証を得たわけです。
 あなたが折々に語る言葉、また、思いは、どのようでしょうか。
 今週も、言葉において、また、思いにおいて、前向きに、何事も感謝していきたいものです。

  感謝を口に  (12月18日)

 三浦綾子さんの小説を読んでクリスチャンになられた方が大勢おられます。そのように人の心を変えるほどの文章の背後には、彼女自身の、言葉に尽くせない幾多の試練があり、さらには、それらがキリストにあって宝に変えられたという、実体ある証しがエネルギーとなって伝わってくるからに他なりません。
 当時、『死に至る病』と言われた肺結核との13年に及ぶ戦い。紫斑病、喉頭ガン、帯状疱疹では鼻がつぶれ、その治癒と共に今度は大腸ガン、そして、パーキンソン病と、襲いかかる難病。これだけ難病に押しかけられたら人は絶望するのに、三浦さんは、主にあって、いつもユーモアを貫き通されました。
 三浦さんは次のように言いました。「神様は、何か思し召しがあって私を病気にしたんだと思う。神様にひいきされていると思うこともある。特別に目をかけられ、特別に任務を与えられたと……」。さらに「九まで満ち足りて、十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、人間はまず、その不満を真っ先に口からだし、文句を言い続けるものだ。自分を省みて、つくづくそう思う。私たちは不満を後回しにし、感謝すべき事を先になぜ言わないのだろう」と。
 今週も、まず感謝を口にしていきたいものです。

  宿屋街がいっぱい  (12月25日)

 Aさんは、日本各地を車で回る、有能なベテラン営業マンです。
 その日も、いつものようにB町の定宿に辿り着きました。フロントに行くと、その町で全国大会があるため、半年前から満室で、しかも、この近隣はどこも宿は取れない、と聞きました夜も更け、疲れ果てた彼は、宿がないことには困りますから、車であちらこちらと見知らぬ宿をあたりましたが、どの宿も満室で、一軒も取れません。しかし、最後に、やっとの思いで一室を得ることができました。
 Aさんはその時、しみじみとクリスマスの夜の出来事を思い起こしました。「身重のマリアそしてヨセフは、どれほどの思いで宿を探したのか……」と。そして「クリスマスの出来事の万分の一でも味わう事ができた」と思った時、疲れ果てるどころか、「最も意義深いクリスマスの夜を迎えることができた」と深い感動に満ちあふれたのです。
 私たちにも、様々な試練に遭遇する時、それはまさに、クリスマスの祝福を、実体をもって味わうことのできる時です。

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