2007年2月の霊想
保 続 (2月4日)
『保続(ほぞく)』という言葉をご存じですか。
お年寄りに生年月日を聞き「大正十四年五月三日」とお答えになった後、「お生まれはどこですか」と別な質問をしても、また同じように生年月日を答えたり、「おじいさん、今朝は何を召し上がりましたか」と聞かれ、「ご飯に納豆」と答えられた後、「今日はどこかに行くのですか」と聞くと、「はい、ご飯に納豆」と答えることです。これを『保続現象』と言います。質問が変わっているのに、前に発信したものがそのまま残り続けている現象のことを言います。
これは、お年寄りばかりでなく、若い人にも起こる現象です。出来事はもう済んでいるにもかかわらず、それを引きずっている、保続現象を生きることがあります。
変えてはならない真理はいつも新鮮に保ちつつ、「そのことは過去であり、今は現在。まったく新しい可能性がありますよ」と、いつも状況に応じて、握りしめないで捨て去り、新しいものに切り替えていく、そんな新鮮な生き方を身につけ、習慣化していきたいものです。
「だから、わたしたちは落胆しない。たといわたしたち
の外なる人は滅びても、内なる人は日ごとに新しくさ
れていく」(Ⅱコリント4・16) |
自分育て (2月11日)
豊かな人生を生きる秘訣の一つは、自分の感情をよく知ることです。感情に振り回され、感情の流れのままに生きるのではなく、自分の感情とうまく付き合うことです。
そのためには、思考を用いて、「なぜ今、そのように悲しく、時にはつらいのか」と、感情と会話し、本当の気持ちと友だちになると、自分の感情をコントロールすることができます。
感情は心の中に宿る子どものようです。子育て(自分の感情育て)に大切なことは、叱ることや否定的に扱うことではなく、その感情によく慣れ、親しみ、関係を強化し、たくさんほめてあげることです。
このプロセスを、自分で自分にしなければ、誰もあなたの感情を育ててはくれません。この作業を自分でやらない人は、他人にそれを求めますから、人間関係がうまくいきません。しかし、自分で自分を励ます人は、他人やまわりの状況に振り回されなくなります。コツは、み言葉に聴き、み言葉に立って自分を励ますことです。
今週も、もう一人の自分(感情)を見いだし、耳を傾けつつ、上手に付き合い、育てていきたいものです。その時、与えられた人生を真に自分のものとして歩むことができます。 |
心がけ (2月18日)
ウィーンからすてきな音楽の贈り物を届けてくださったレナーテ・トイフェアトさんは、お嬢様のクララさん(10歳)を伴って来られました。
クララさんに「明日は夕食にお誘いします」と伝えるとたいそう喜ばれ、「一つだけお願いがあります」と語られました。「何ですか」と尋ねると、天使のような、しかしキリッとした眼差しで、「太る体質の家系なので私はいつも気をつけています。そこで、夕食にはチョコレートのデザートは出さないでほしいのですが……」と答えられました。
この話を聞いたスタッフは、自分の健康だけでなく、そのために環境・状況にも惜しみなく気を遣い、整える心がけに、いたく感動しました。クララさんの姿は、次のパウロの言葉を彷彿させます。
「すべて競技をする者は、何ごとにも節制をする。…(中略)…
そこで、わたしは目標のはっきりしないような走り方をせず、
空を打つような拳闘はしない。すなわち、自分のからだを打
ちたたいて服従させるのである。」
(Ⅰコリント9・25~27)
今週も、様々な誘惑や試練があっても、それを乗り越えるためにしっかりと状況を整え、豊かな実を結ぶことができるように備えたいものです。 |
心を変えて (2月25日)
「また弟のところにきて同じように言った。彼は『いや
です』と答えたが、あとから心を変えて、出かけた」
(マタイ21・30)
人生には、決して変えてはならないことと、絶えず変化しなければならないものとがあります。
私たちは変えてならないものをすぐ変え、変えなければならないものに直面すると、時に、変えたくなかったり、変え方がわからず、すぐ元に戻ってしまい、旧態依然のままでいることがよくあります。
この聖書の箇所では、弟が、変えたくないと思いつつも心を変え、新たな行動に移りました。弟は、いつもと同じことを考え、いつもと同じようなものを見つめたのではなく、新たなるものに目を留め、新しい考えを始めたのです。そこに、必ず、今までとは異なった行動が生まれます。
日々の生活の中であなたが目指すみ言葉をいつも口ずさみ、「私に新しい変化と成長と豊かな実りを」と祈りつつ歩みましょう。気がつくと、あなたの内に変化が起きるだけでなく、まわりの人々の内にもその恵みを見いだす、豊かな実りの時が必ず来るからです。 |
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