後先を考えながら (3月4日)
京セラを創業された稲盛和夫さんが、戦争体験記に次のようなことを書いておられます。
戦争に負け、「俺もアメリカ人と戦う」と、まわりの人々が山に逃げ、稲盛さんも逃げたそうです。その時、「牛や馬を残しておくと、みなアメリカ人に食われてしまう」ということで、牛を、これほどの肉を食べたことのないというほど、ステーキにして食べたそうです。しかし、十日ほどするとみんな疲れ、山を下りてきたのですが、もう牛も馬も食べ尽くしたため一頭も残っていません。そのため、農作業をするのに大変苦労されたという話です。
悲しいとも滑稽とも思えるこの出来事は、戦争を体験したという特殊な出来事ではなく、毎日の生活の中でもあるのではないでしょうか。
つい、その場限りで生きてしまい、後に困るということがあります。後先を考えずに目先のことだけをするのではなく、長期的な視野で物事を見、日々よく考え、考え続けながら生きていきたいものです。
「思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用
意していなかった。しかし、思慮深い者たちは、自分
たちのあかりと一緒に、入れものの中に油を用意して
いた」(マタイ25・3~4) |