2010年4月の霊想

  イースターの恵み (4月4日)

  キリスト教会には三大行事-クリスマス、イースター、ペン テコステ-があります。一つ目のクリスマスは、日本人は誰で も知っていますが、二つ目のイースターは、多くの人が知りませ ん。しかし、イースターの恵みは格別です。なぜなら、イエス・キリストがあなたの罪(つみ)咎(とが)を代わりに担ってくださったゆえに、不安に満ち気力を欠く生活が一新され、豊かな人生を体験できるからです。
  死からのよみがえり、復活の確かさは、あなた個人の体験に留まらず、その深さ、高さは、まわりの人に多大な影響を与えていきます。
  神戸の平井シズエさん(91歳)は、阪神淡路大震災を乗り越え、今春、夜間中学を卒業なさいました。その生涯、幾度も人生のピリオドかと思わせる出来事に遭遇し、その都度、乗り越えてこられました。彼女は卒業にあたり、「失ったものを取り戻せた」と語られました。
  キリストと歩む生涯は、不可能と思えることに挑戦し、それをやり遂げることができるだけでなく、失ったものを取り戻してなお余りある人生です。復活の信仰を生活の中で深く覚え、くり返し練習し活用し、永遠の命を日々の生活で体験していく人生……。
 イースターの日、この世界をさらに深く自分のものとしてまいりましょう。

  神に選ばれる人 (4月11日)

 預言者サムエルは、主の使いとして、国の王を決めるためにベツレヘムへ行き、エッサイ家の息子たちを犠牲の場所に招きました。(サムエル上16・5) 父親エッサイは『7』を完全数と思ったのか、7人の息子を連れてきました。その一人一人に会ったサムエルは主の選びを得ることができず、「ここにはいない。他に息子はいないのか」と尋ねたのです。
 エッサイの8番目の息子ダビデは、子どもであり、羊の番人ということでおよそ数に入っておらず、忘れられた一人でした。しかし神は、家族にも忘れられ、数のうちに入れられていないダビデを選んで王とし、歴史的な国の建設に貢献させました。
 サムエル記には次のように記されています。

「わたしはあなたを、羊の群れを追う牧場からとり、わたしの民イスラエルの君主とした。そして、あなたがどこに行っても、あなたとともにおり、あなたの前であなたのすべての敵を断ち滅ぼした。」
                     (サムエル下7・8~9 新改訳)

 人生にはふと孤独に陥り、「私なんか」と思う時があります。そのような時にこそ、少年ダビデを思い、忘れられたような人こそが神に選ばれ、用いられることを思い起こしたいものです。

  スランプ脱出法 (4月18日)

 スポーツ選手がスランプに陥った時、スランプから脱出させるためにコーチが第一にすることは何だと思いますか。『自分自身の存在と、自分の結果を完全に切り離すこと』です。この作業が最も大切で、この作業からスタートさせると言います。
 私たちは、《何かをする・しない》《どのくらいの結果が出る・出ない》というドゥーイング(doing)と、どのような結果が出ようとも変わらない自分の存在・ビーイング(being)とが一体化していることが多くあります。
《できた・できない》、さらには、《より得点の高い方が優秀》と考える現代の価値観に生きることは、スポーツ選手に限らず、すべての人が陥る罠です。
 私たちが地上にいる間、もちろん、弱いよりも強く、低いよりも高く、遅いよりも早く、と努力をしなければなりません。生かされているこの社会はドゥーイング社会ですから。しかし、その中にあって、スランプに陥っても陥らなくても、絶えず心し訓練することは、 "命あるだけで丸儲け" という言葉は少し乱暴でも、《今、生かされているこの命が最も大切》という優先順位を忘れないことです。
 命を喜び、感謝すると、あなたならではの輝きが生まれ、その結果としてドゥーイングがあるのです。

  見る目を養う  (4月25日)

 リック・ウォーレン牧師の著書『人生を導く五つの目的』は、米国出版界ノンフィクション部門のベストセラーとなり、先生が牧するサドルバック教会は8万人の信徒を擁しています。ウォーレン師は、本の出版と教会の設立の両方で大きな祝福を得たことで有名です。
 1980年、神学校卒業後、先生と奥様のケイさんは開拓伝道のため、無一文で南カリフォルニアに移り住みました。そこでお二人がまずなさったことは何だと思いますか。教会の建物を見つけ、聖歌隊を集め、説教の準備をする、ということは一切しませんでした。お二人はその地域のご家庭を一軒一軒訪ね、教会に行かない理由を聞いて回ったのです。その調査を元に、『教会に行かない理由が一つも当てはまらない教会建設』を目指しました。その実践によって、現在、米国最大の教会の一つとなったのです。
 米国のフォーブス誌は、サドルバック教会を評して、「この教会をビジネスにたとえると、デル・コンピューターやグーグル、スターバックスに匹敵する」と記しています。
 何事に限らず、神様の祝福をいただくコツは、しっかりと現実を見る目を養うこと、これに尽きるようです。
 今週も、心して歩みたいものです。

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