2010年6月の霊想

  どんな噂をしてほしいですか?! (6月6日)

 もし、自分について噂をされるとしたら、どんな噂を してほしいですか? ―ここでいったん目を閉じ、しばし考えてから、次をお読みになってください。
 「あたたかい人だ」「知恵のある人だ」「裏表のない人だ」等々、持ち味を存分に語ってもらえるとうれしいですか。あるいは「そんなことなど考えたこともない。ただ毎日忙しく動いているだけだ」という方もおられるかもしれません。また「人の評価や時代の価値観がどうであろうと、自分の過去に何があっても、それらは一切関係がない」と、境界線をしっかり引かれる方もおられるでしょう。このように様々な答えがありますが、実は、その答えはあなたが現在いる位置を表します。
  人生を豊かに生きる秘訣は、人の評価やこの世が期待する理想像に目を向けるのではなく、あなたがどの位置にいても、現在の位置から主を見上げることです。見上げ続けていくと、あなたの内なるものが輝き出し、自ずと喜び・感謝が湧き出てきます。感謝し、神様との関係を強固にすると、神様にある確かさ(真理)があなたとまわりを豊かにします。
 今週も、今与えられている命に感謝し、さらには、命の所有者である神様に感謝する一週間を送ってまいりましょう。

  考える葦(あし)  (6月13日)

 「人間は考える葦(あし)である」というパスカルの言葉は、人間を定義する言葉として大変有名です。
 「考える」という、人間だけに与えられた神様からの贈り物を存分に活用なさっていますか。考える対象は何でもよいのです。とことん自分の頭で考え、考え、考え抜く習慣を身につけることは大きな力となります。
 日本で二千円札が出た時、「いいお札ができた」と多くの人が思いました。欧州の二〇ユーロ札もアメリカの二〇ドル札も非常に重宝で、市場で最も使われるからです。ところが、今はめったにお目にかかりません。
 その理由は何だと思いますか。
 ある人は「肖像画がないから」と言い、ある人は「日本人は、お花でも奇数本を活けるように、奇数好みだから」と言います。
 あなたはどう考えますか…?
 実は、この問いに決定的な答えはありません。あなたなりに考え、あなたならではの答えを考え出すことがすばらしいのです。
 豊かに生きる人は、この賜物を活用し、豊かに生きるような思考をします。考え、考え、考え抜き、人生の宝を得ていきたいものです。

  人生の目的の火を灯す  (6月20日)

 作家・高見順は、食道ガンの手術を受け、病床に横た わっていました。ふと、窓の外を見ると、激しい風雨の中を、少年が新聞配達をしていました。その姿に、胸を揺さぶられ、彼は一編の詩を書きました。

  なにかをおれも配達しているつもりで今日まで生きてきたのだが
  人びとの心になにかを配達するのがおれの仕事なのだが
  この少年のようにひたむきにおれはなにを配達しているだろうか

 ひたむきな新聞配達の少年の姿が、晩年の作家魂に火を灯した瞬間です。
 日々の大小様々な試練は、人生の目的の火を灯すために、神様が備えてくださったスイッチ・オンの時です。
今週もしっかりと覚え、歩んでいきましょう。

       「苦しみにあったことは、わたしに良い事です。
        これによってわたしは
        あなたのおきてを学ぶことができました。」
                        (詩篇一一九・七一)

  最も大切なこと  (6月27日)

 ウォルト・ディズニー・カンパニーの元最高経営責任者、M・D・アイズナー氏が自宅の設計をした時、家の中の壁を薄くしたため、危うく家が崩れるところだったそうです。また、ソフトウェア会社を経営する億万長者は、家の外壁をパイン(松)材にしたため、家の完成を待たずして腐ってしまいました。
 彼らは忙しかったため、家を建てる前に吟味しなかったのでしょうか?
 建築家は、「建物の構造詳細を見ると、誰もが『退屈だ』と思うものだ」と言います。
 私たちは、つい、目に見えるところ、派手なところに費用と時間をかけてしまうものです。しかし、人生も家と同じで、価値を決めるのは土台と構造、そして質。その中で最も大切なのは土台です。
 外見だけに思いを馳せるのではなく、目に見えない、最も大切なところに、心のエネルギーを注ぎたいものです。イエス様は次のように言われました。

    「それで、わたしのこれらの言葉を聞いて行うものを、
     岩の上に自分の家を建てた賢い人に比べることがで
     きよう。雨が降り、洪水が押し寄せ、風が吹いてその
     家に打ちつけても、倒れることはない。岩を土台として
      いるからである。」(マタイ7・24~25)

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