2011年3月の霊想

  配れば配るほどふえる世界  (3月6日)

 ものは使えば使うほど減っていく。人に配れば配るほどなくなっていく。ところが不思議なことに、心を使えば使うほど豊かになる。人に配れば配るほど、あたたかくなる。
それなのに、心を物のように扱っている人がいかに多いことか。出し惜しみしているうちに、心は貧しくなる。心が冷えてくる。荒涼としてくる。そうではなく、心は大いに使うべきである。多くの人に、できるだけたくさん配るべきである。
それによって、自分の心が豊かになる。まわりの人たちの心が豊かになっていく。自分の心があたたかくなる。まわりの人たちの心があたたかくなっていく。      国友隆一
 作者の国友隆一氏は、ホテルやデパート、外食産業等のサービスの専門家として知られています。右はその豊かな経験から行き着いた一文です。
 クリスチャンであるあなたが、この詩を現実として生きておられることは何と素晴らしいことでしょう。倫理や道徳、あるいは、義務としてではなく、イエス様に生きておられるゆえに、そうせずにおれない、そうすることが自分自身であることを知っておられるからに他なりません。
 今週も、自分も周りの人の心もあたためる世界を体験なさいますように……。

  絶望することはない  (3月13日)

 あなたは、試練や非難を受けるようなことがあった場合、どのように対応なさいますか。
 アメリカの第17代大統領アンドリュー・ジョンソンは、幼くして父親を失い、貧しくて、正規の学校にも通えないという背景を持った人でした。しかし、アメリカに最大の富をもたらした大統領として憶えられています。
 その理由はこうです。アラスカはアメリカの5分の1にもなる広大な土地です。大統領は、議会の同意もなしに、元々旧ソ連の土地だったアラスカを、当時720万ドル(約100億円)で購入したのです。
 アラスカを「アイスボックス(冷凍庫)に過ぎない」と人々は非難していましたが、調査団は、そこに世界で最も多くの石油、純金、白金を埋蔵し、測り知れないほどの地下資源、海の資源と山林資源があることを報告しました。マスコミはこぞって、「大統領はアイスボックスではなくゴールドボックス(金の箱)を手に入れた」と絶賛しました。
 ジョンソン大統領が強烈な非難の中でも落ち着きを失わなかったのは、強固な信条を持っていたからです。それは、「どんな試練があっても、環境がどんなに不利でも、神にあって絶対に絶望しない」という信仰でした。
 私たちも、どんな状況でも、信じる力を神からいただき、人々に祝福を分け与える者となりたいものです。

  主体的に歩む  (3月20日)

 【シルバーシート】という張り紙があっても、若い人がその席に座り、お年寄りに席を譲ってくれない、などの苦情を聞くことがあります。
 帝国ホテルで働かれ、〈おもてなし〉の代名詞のように言われた竹谷年子さんは、定年退職後もホテルから請われて80才過ぎまで現場に立たれました。
 竹谷さんは朝5時半に起き、ラジオ体操をしてから朝食を食べ、近くの駅までバスで通っていました。そのバスは、どんなに混む時でも、必ず座席が一つ空いていました。乗り合わせた人たちが竹谷さんのために席を空けてくれていたのです。地元の住民のやさしさに違いありません。
 もう一つ理由があります。彼女のあたたかく、大きな心の豊かさと、凛とした清々しい生き方をみんなが感じ取り、まさに、輝きを放つ竹谷さんの姿にまわりが自然に動かされたからです。「そうしてくれない」とまわりに依存し、ぼやくよりも、そうして差し上げたくなるような主体的な歩みを心したいものです。
 そのためには、人にではなく神に依り頼み、神と共に自立した歩みをすることです。
 今週も、神が伴なるあなたの歩みの上に、恵みが豊かにありますように。

  人生の原点  (3月27日)

 ドストエフスキーは「人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないからだ」と言いました。
 当たり前であることのすばらしさ、どのような状況にあっても【命が与えられている】という当たり前のことが感謝の始めであり終わりであることを、今週もしっかり覚えていきたいものです。
 この原点を忘れると、物足りなくなったり、不平不満の穴埋めとして、感謝の代わりに別のものを求めはじめます。すると、どこまで行っても物足りず、不満がさらに増し、「もっと、もっと」という罠に陥ります。
 感謝するための秘訣は、いつも感謝のできるガソリン(み言葉と祈り―ディボーション)を欠かさないことが大切です。そのことが日常化していると、自分だけの喜び、自分だけの平安と満足だけでなく、まわりに夢や希望を与える灯台としてのあなたの生き方に、さらに磨きがかけられていきます。
 今週も心して歩んでまいりましょう。

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることである。(Ⅰテサロニケ5・16~18)

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