2014年6月の霊想

  神は急がない  (6月1日)

  地中海沿岸、スペイン第二の都市のバルセロナの街には、建築家アントニオ・ガウディの代表作サグラダ・ファミリア教会(聖家族教会)が建っています。着工してから132年、なお未完成の聖堂です。構想に40年、完成すれば170メートルを超す、『イエスの塔』など18の塔と3つの門から成る聖堂となります。
 この建設には様々な試練がありました。まず、最初の塔ができた翌1926年、総責任者のガウディが市電にはねられ息を引き取りました。さらに1930年代のスペイン内戦で設計図は焼かれ、模型は壊されてしまいました。それでも建築は続きました。
 永遠に続くかのようなサグラダ・ファミリアの建築は、2020年代の完成を目指しています。
 ガウディは生前「神はお急ぎになりません《という言葉を残しています。今の時代は、何でも早く、そしてすぐに出来上がることを期待します。それゆえに、じっくりと今を味わいながら生活をすることがとてもむずかしい時があります。
 
 「見よ、今は恵みの時、見よ、今は救の日である《(Ⅱコリント6・2)
 
 与えられている『今』に喜びを見つけ、「神はお急ぎにならない《と、充実した日々を生きていきましょう。

  ほめ言葉  (6月8日)

 人は自分の存在にエネルギーがほしい、と願っています。ところが、残念なことに、自分の最も確かな味方であるはずの自分自身が、自分に対して承認(ほめ言葉)を送っていない、というのが事実です。見栄やプライド、古い習慣が、自分を肯定するというよりも、つい否定してしまうのです。信仰者であっても、謙遜そうに見えて、実は勝手に決め込む人間の傲慢(罪)が「神様だってこんな私を認めるはずがない《との言葉をもたらすのです。
 自分を肯定し承認するための具体策は、「互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13・34)とあるように、互いにほめることです。その時のポイントは、ほめ言葉が具体的で適切であり、さらに、客観的であることです。漠然と「あなたは美しい《と言わず、具体的に「あなたの優しい目」とか、「謙虚なまなざし《というように、具体的で、状況に合った適切な表現、用語を用いることです。あなたの一方的な感情や価値観ではなく、客観性があれば、より効果的ということになります。
 日本人は、ほめられることも、ほめることも得手ではありません。だからこそ、あなたが心して自分にも他者にもほめ言葉を語っていくと、あなたの未来が大きく切り開かれていきます。ぜひチャレンジなさってみてください。

  今日は父の日 (6月15日)

 女子高生にお父さんの好きなところをアンケートした結果があります。「優しい《がトップ、次いで「頼りがいがある」「尊敬できる《でした。逆に嫌なところは、「すぐ怒る」「考え方やファッションセンスが古い」「仕事中心」「無口《と続きました。
 聖書は子供たちに「あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜わる地で、あなたが長く生きるためである。」(出エジプト20・12)と教えています。そして父親に対しては「父たる者よ。子供をおこらせないで、主の薫陶と訓戒とによって、彼らを育てなさい。」(エペソ6・4)と言っています。
 子供たちは、身近な父親からどのように思われているのか、どのように言われるのかに、とても影響されるからです。
 先ほどのアンケートで、お父さんから言われて嬉しかった言葉は、「お前ならできる」「出来なくても間違っても次頑張れば良い」「自分のやりたいことをやるといい」「応援している」「父さんの宝物だよ《で、励まされる言葉にやる気と元気をもらっていることがわかります。
 今日は父の日。神様が地上に与えてくださったお父さんに感謝し、そして、お父さんは神の愛でお子さんに接してゆきたいものです。

  五年後の世界  (6月22日)

 豊かな人生を生きていらっしゃる人は、それぞれ自分流をしっかり持っていらっしゃいます。
 先のことは一切主にゆだね、今がどういう状況であろうと主に信頼し全力投球する、という方がおられます。そのようにして、経済的にも精神的にも身近な家庭にも祝福をもたらされた方が多くいらっしゃいます。
 同時に、現在に深い感謝を持ちつつ、五年後をしっかり見据えることも知恵のある生き方です。特に、ビジネスをなさる方などは、五年先がどのような世界になっているかということをしっかり見通すことができ、そのために準備をなさいます。五年経ち、「このようなものが必要なのか《と気づいた頃には、すでに同業他社がその製品を開発していることがあるからです。
 大切なことは、何も見えないような現状の中にも、必ず未来を指し示す予兆があることです。素人には、大根もなすもキュウリも、芽を出した瞬間にそれを見分けることは難しいものです。しかし、よく学び、慣れてくると、同じように見えるものの中に違いをはっきりと見、悟ることができるようになります。
 未来が見え、しっかり準備のできる人生が自分に必要だと思う方は、主に求め、訓練をしていきましょう。神様は、求める者に必ず答えをくださいますから。

  だれでも働くことができる (6月29日)

 難病で寝たきりの佐藤仙務(ひさむ)さん(22歳)は、筋肉が衰える脊髄性筋萎縮症を抱えながら、友人と起業しました。両手の親指を使い、パソコンで経理と顧客対応をこなし、比較的障害の軽い友人が吊刺などのデザインを担当しています。
 同労者の宗本智之さん(35歳)は、3歳の時に筋ジストロフィーと診断され、小学校3年生で車イスの生活になりました。それでも大学の理工学部に進んで数学を専攻し、病気が進行し寝たきりになった後も、自宅で教授の指導を受け、2007年に博士号を取りました。今は人口呼吸器をつけ、動く両手の親指だけでパソコンを操作し、週3日、1日1時間、インターネット上で仕事をしています。「自分にも働ける力が残っている。いつも介助してくれている母に、自分で稼いだお金で美味しいケーキを買ってあげたい《と希望を持っています。
 神様は、私たち一人一人に、その人ならではの働きを備えてくださっています。人はどこからでも、またどんな状態でも、できることがあります。今週も、与えられている所で励んでまいりましょう。
「そして、希望は失望に終ることはない。なぜなら、わたしたちに賜わっている聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからである。《 (ローマ5・5)

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