2014年12月の霊想
老舗(しにせ)企業に学ぶ (12月7日)
日本には200年以上続く老舗企業が3125社あります。世界最古の老舗企業は、大阪・四天王寺にある建築業の金剛組です。創業が飛鳥時代で、すでに1400年を超えています。
絶え間ない技術革新、時代の変化を読み、冒険を試みる勇気などをもって、多くの荒波を乗り越えて来られたことでしょう。
一方、新設立の会社やベンチャー企業は、5年後には半数が姿を消す、という現実もあります。
老舗企業を専門に研究した方によると、長く続いている企業の社長さんたちは、口を揃えて「激しい競争に勝ったという意識はなく、気がついたら生き残っており、周りを見渡すと、競合他社が消えていた《とおっしゃるそうです。
老舗企業から、『勝ち負け』という二元の世界ではなく、ただひたすら、与えられたものに感謝を持って忠実に生きることを教えられます。
この状況を私たちの信仰生活に置き換えて考える時、息長く続けるためには何が勘どころなのでしょうか。それは、絶えず、時代の価値観を超えた永遠なるものを目指す姿勢が秘訣です。
私たちも、老舗企業ならぬ『老舗信仰生活』を培うため、この一週間も心して歩んでまいりましょう。 |
男と熊(12月14日)
ロシアの作家トルストイの代表作『戦争と平和』の中に、このような話があります。
熊と非常に仲良しになった一人の男がいました。ある日、この男がいい気持ちで昼寝をしていたところ、男の顔に蚊が止まりました。それを見た熊は、自分の友だちが蚊に刺されてはかわいそうだと思い、蚊を退治するために近くにあった手頃な石を投げました。確かに蚊は一撃で退治されましたが、そのために男の頭が……。
目的は果たしたものの、それ以上のものを失っていることが日常生活にはあるものです。トルストイは、身近な家族、友人と言えど、同じようなことがあるのでは、と警鐘を鳴らしています。
お嬢さんが午後5時には遊びから帰って来るという約束なのに、5時20分に帰って来ました。あなたがお母さんだったら、お嬢さんに何と言いますか。「あら、お母さんとの約束は何時だったかな《「何か事故があったか心配だったわよ《等と言いますか。もちろん、時間に遅れないように教えることは大切です。しかし、そのような小石をすぐに投げるのではなく、「あら、どんな楽しいことがあったの《と、まずは前向きな質問できっとお返しになるでしょう。
神様との交わりの中で、人の知恵、経験を超えた天来の知恵を得て、今週も歩むことが肝要です。 |
クリスマスの祝い方 (12月21日)
今年も礼拝堂の正面に大きなクリスマス・リースが飾られています。リース(英語・wreath)は、ローマ帝国時代、ローマ人が祭事の際や結婚式などの特別な行事の時に、主な人たちが冠として身につけたことが由来です。リースは主に女性に使われ、男性は冠として使用し、それらは威信の象徴でした。
クリスマス・リースとして用いられるようになってからは、常緑樹の小枝に、花や葉などに松ぼっくりや赤いリボンを結んで飾られます。リースが輪になっているのは、途切れることがない『永遠』を意味しています。イエス・キリストの永遠の命と威信の表れとして、クリスマス・リースが全世界で飾られるようになりました。
イエス・キリストが旧約聖書の預言の成就として、この世界に来臨された救世主であることは、歴史的事実に基づいています。真の神であるイエス・キリストが、神と人と唯一の仲介者として生まれたことを祝い、心から礼拝することこそ、クリスマスの最も大切な祝い方です。
「御使は言った、『恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生まれになった。このかたこそ主なるキリストである。』」(ルカ2:10~11) 今年も、私たちの心の中心にイエス・キリストを迎え、一年の感謝と喜びの心でクリスマスを祝いましょう。 |
信仰の極意 (12月28日)
ブレない上動の信仰を培いたい、という質問を受けたら、あなたはどのようなアドバイスをなさいますか。
尋ねている人の心の位置と方向性を見定めながら、その人ならではの天来の答えが備えられています。正解は遠くはるか彼方にあるのではなく、実に、私たちのただ中にあることが多いものです。
将棋吊人として知られ、一時代を築き上げた舛田(ますだ)幸三(こうぞう)氏は、若き日に弟子入りし、訓練を受けました。
ある冬の凍てついた日、豆腐を買いに行かされました。道路が凍っていて足を取られ、豆腐を落とし、グチャグチャにしてしまいました。その時、舛田氏は、はっと気がついたのです。「豆腐を買ったら、豆腐を家に持って帰ることだけを考えればよいのに、別のことを考えていた《と。このことから目が開け、一段と将棋が強くなったと本人は語ります。
あなたが置かれている状況がどのようなであれ、み言葉を噛みしめ、主を仰ぎ見つつ与えられた状況に100%思いを定め、今できる最善に全力投球していきましょう。
信仰を、生活の中で体で覚える一週間、そして新年でありたいものです。
「今は恵みの時《(Ⅱコリント6・2) |
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