2015年2月の霊想

  今年は未(ひつじ)  (2月1日)

 今年は未年。羊が話題になることが多い年です。羊は聖書全体を通して登場する動物で、親しみを感じる方も多いでしょう。
羊とはどのような動物でしょうか。草食動物は、基本的には群れを作りますが、羊は個体間の距離が比較的小さく、固まる傾向があります。牧羊犬が羊の群れの周囲を駆けるとぎゅっと固まり、草を食べる時もまとまって移動します。そして、群れにはリーダーがいないので、1頭が動くと、群れ全体が追従して動き出すことが特徴です。
ダビデは、自らの羊飼いとしての経験と重ねて「主はわたしの牧者であって、わたしには乏しいことがない。」(詩篇23・1)と歌いました。ダビデは、主を羊飼いに、自分を羊に例えて、全き信頼を主に置いて歩む人生は、心が満足していることを表しています。
新約聖書では、イエス様自らが「わたしはよい羊飼いである。よい羊飼いは、羊のために命を捨てる。《(ヨハネ10・11)と語っています。
現代は、多くの情報を、いつでもどこでも、そしてだれでもすぐに知ることができます。だからこそ、確かな人生へ導いてくださる羊飼いなるイエス・キリストが必要なのです。

  下に根を張り(2月8日)

 昨年秋、92歳で亡くなられた本島(もとしま)等(ひとし)さんは、長崎市長を4期務められ、クリスチャンとしてもユニークな生涯を送られました。「思ったことを隠さずに言う。物議を醸しても動じない頑固さが、危うくも魅力的だった《と、言われています。
その根底を成すのはキリストに対する上動の信仰であり、まさに「下に根を張り《、キリストに根ざした生涯でした。
本島氏の信仰の根本は、「どちらがいい、悪い《ではなく、「善も悪も神の御手の中にある《という一元の生き方に徹しておられたことです。旧制高校在学中に軍隊に徴兵され、「キリストと天皇陛下、どちらが偉いか《という問いに「どちらも偉いです《と答え、非国民扱いされました。また、原爆投下において日本は被害者である、という一方だけではなく、日本の加害責任も認めました。そのために、銃撃を受け、一命を取り留めたこともあります。それでも、日本の加害責任をアジア諸国に謝罪し、被爆地が原爆投下を許すことが和解のために必要と説いて、天に召されました。
あなたの生き方、考え方にも、主にあって、本島氏と共通するものがあることは、何とすばらしいことでしょう。

   ゴスペルを歌う(2月15日)

  英語のゴスペル(Gospel)は、「福音、福音書《とも訳され、アメリカ発祥音楽の一ジャンルであるゴスペル音楽を指すこともあります。
ゴスペル音楽のルーツは黒人霊歌にあり、アフリカ大陸から米国に連れて来られた黒人たちは、一人の人格としてではなく、奴隷として取り扱われました。その苦しい状況下で、ある人々は救いを与えるゴスペル(福音)と出会い、個人的にキリストの救いを得ました。そして神に彼ら独自の賛美をささげるようになりました。
主人が寝静まった夜中、ひそかに集まって祈り、歌ったりしました。その歌詞には、この世に生きることの苦しみを超え、天国で救済される祈りが込められています。
黒人霊歌は、後年、様々なジャンルと結びつき、その音楽性は今も進化し続けています。現代は、ゴスペル・クワイア(聖歌隊)と呼ばれる力強いコーラス隊で賛美をするようになりました。
賛美は人々を神のもとへと導き、うちひしがれている心に力を与え、祈りへと導きます。
今週も、賛美しつつ歩んでまいりましょう。
「詩とさんびと霊の歌とをもって語り合い、主にむかっ て心からさんびの歌をうたいなさい。」(エペソ5・19)

  ゆるし (2月22日)

 「私は自分自身の体験から、どんな病の場合でも、真の 健康を害している一因は、ゆるさないという思いだと いうことを、ほぼ確信しています。《
精神科医ジェラルド・G・ジャンポルスキー博士の言葉です。あなたには、ゆるせない人がいますか?相手は痛くもかゆくもありません。搊失を被るのはあなた自身で、生き方に大きなマイナスをもたらします。
ゆるせない思いを整理する最適な方法は祈りです。祈りを通し、個別的な解決策が必ず与えられます。ある方は「自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。…復讐はわたしのすることである。わたし自身が報復する」(ローマ12・19)のみ言葉で解決しました。
『ゆるし』において肝心なことは、「誰か《ではなく自分自身をゆるしていないことが多くあります。「こうであったら《と、現在の、過去の出来事等を悔やむ、すなわち、自分を責めたままなのです。どんなに強力なエンジンでアクセルを踏んでも、強力なブレーキがかけられていれば、空ぶかし(上満)だけで前進できず、自分にも他人にもマイナスの影響を及ぼします。
何よりも自分自身をゆるす宣言をなさることです。創造者であり所有者である神様ご自身が、あなたを無条件に受け入れておられるのですから。

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