2015年5月の霊想

  同じものを見ても (5月3日)

 同じ物や景色を見ても、何も感じない人、消極的に物を感じる人、そのままを現実として受け止める人、豊かな芸術的な奥行き深いまなざしで見る人等々、感じ方は様々です。
かつては、目に見えるものをすべて大小で捉え、より大きく、より強くと、拡大意識がもてはやされました。しかし、その反動か、今は、スローライフなどと、ゆっくり、じっくりと、拡大するよりも内側へと縮小主義を求める人もおられます。
しかし、大きくでも小さくでもなく、「深める《という生き方もあります。
『にんじん』の作者ジュール・ルナールは、モンシロチョウの飛んでいる様子を見て、「二つ折りの恋文が、花の番地を捜している《と表現しました。今度、あなたが改めてモンシロチョウを見る時には、違って見えるのではないでしょうか。
あなたは作家でないとしても、物事をじっくりと見て味わう時、すべての出来事にあなたならではの、すてきな、天国の風景を見ることができるのです。天国は、遠く向こうにあるのではなく、「神の国は、実にあなたがたのただ中にあるのだ。《(ルカ17・21)とみ言葉は力強く語りかけています。

  母の日に添えて(5月10日)

 カーネーションの花言葉は「母の愛情、女性の愛、清らかな愛《などで、母性愛を強く表す花です。
母の日はお母さんに感謝を表す日です。アンナ・ジャービスは、自分を苦労して育ててくれた母親の死後2年経った1907年5月12日、母が日曜学校の教師をしていたフィラデルフィア教会で記念会を持ちました。そして、母親が好きだったカーネーションを参列者に配りました。アンナの母への想いに感動した人々は、母を覚える日の大切さを認識したのです。
日本に母の日が伝わったのは大正時代です。「母の愛は神の愛に最も近い《と言われますが、当時、青山学院大学教授だったアレクサンダー女史により紹介され、キリスト教関係の団体が中心になってこれを広めました。
聖書は「愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない、上作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。上義を喜ばないで真理を喜ぶ。そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。愛はいつまでも絶えることがない。《(Ⅰコリント13・4~8)と神の愛を教えています。
この地上で神の愛に勝るものはありません。今日も確かな神の愛を心にしっかりと覚えていきましょう。

  信じる(5月17日)

  仏教徒として著吊な松原泰道師は、人の心の世界をわかりやすく説いた吊人でもいらっしゃいます。松原師は『人徳の研究』(大和出版)の中で、一人のクリスチャンを紹介しています。
クリスチャンの三宅やす子さんが、自分の娘、艶子さんのウソを知りながら娘の心に秘められた神の心を信じた、というエピソードです。
艶子さんが小学生の時、千葉県の御宿で海水浴に行き、お母さんからわずかなお小遣いをもらいました。艶子さんは、浜辺の階段にあった出店で氷水を買い、代金を未払いのまま帰ってきました。そのお金で梨二個を買い、密かに食べてしまったのです。翌日、氷店のおばさんが氷水代を取りに来たので、「昨日、ちゃんと払った」とウソをつきます。氷店のおばさんは「もらっていない《と反論。そばで聞いていたお母さんが、「大丈夫。誰かに間違って払ったのでしょう。お金は別にお出しします《と支払われたそうです。お母さんはウソを十分知りつつ、ひたすら信じたのです。その振る舞いを、「生涯、骨身にしみた思い出《と艶子さんは語ります。
お坊さんをして、感嘆せしめたクリスチャンの証しです。今週、あなたも、生活の中で同様に証しすることができます。

  あなたの強みは何ですか(5月24日)

  静岡市のベンチャー企業が話題になっています。重い物を真空の力で吸着し持ち上げる「バキュームリフト《を製造・販売している会社です。社長は84歳。社員はわずか5人で、平均年齢は76歳と極めて高いのです。モットーは、仕事は無理をしない。午後3時には血圧を測り、体調が悪ければ早退する。注文から紊入まで2か月を要することもあります。それでも、大手とは違うきめ細やかな仕事が認められ、注文が次々と入ってきます。「老人の強みは今まで培った人脈だ《と社長は語ります。
新約聖書に登場する伝道者パウロは、自分が宣教したギリシャのピリピに住んでいる人たちに、「わたしはどんな境遇にあっても、足ることを学んだ。わたしは貧に処する道を知っており、富におる道も知っている。わたしは、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に処する秘訣を心得ている。《(ピリピ4・11~12)と書いています。アジアやヨーロッパに伝道したパウロは、出向いた所で大歓迎されたり、逆に迫害されたりしました。そんな体験からパウロが身に付けた秘訣とは、「わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。《(ピリピ4・13)という神への信仰でした。
私たちの本当の強みは、どんな状況にあっても、すべてを最善にしてくださる神との絆があることです。

  本質を見抜く(5月31日)

 日本画家・東山(ひがしやま)魁夷(かいい)氏が友人と共に比叡山の側を通ったとき、友人が「こんなに電柱がなければ、比叡山がもっとよく見えるのに、残念ですね《と言いました。すると東山氏は「それはおかしい《と苦笑いし、「電柱を見るから気になるのです。電柱を見なければよい《と答えました。「そんなこと、できるのですか《という質問に「そのように心すれば、半年もすれば見えなくなりますよ《と答えたのです。
また、東山氏がこの方と葛飾(かつしか)北斎(ほくさい)の『富嶽(ふがく)三十六景』の一つ「神奈川沖浪(なみ)裏(うら)《を見ていた時のこと。東山氏は友人に、「これはどの場所から描いたものだと思いますか《と尋ねました。男性的な海を少し上から捉えたような構図で、当時はヘリコプターもありませんから、実際にはこのような景色を見ることはできなかったと思われます。東山氏は「心を見る位置に飛ばし、そこから見ているのですよ《と言われました。
どちらも本質を見抜く生き方です。
神を信じ、信仰によって生きると、「主の霊のあるところには、自由がある。《(Ⅱコリント3・17)と、どのような状況でも、どの角度からでも自由自在に神の恵みを味わうことができるのです。
それは、毎日のディボーションを通し、主との交わりの中ですべての人が得られるすばらしい境地です。

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