2016年1月の霊想

   素 直 (1月3日)

 アイルランド出身の文学博士ピーター・A・マックミラー氏は、日本に長く住まわれており、日欧両方の文化に通じておられ、万葉集をはじめ日本の優れた文学を世界に紹介しておられます。
マックミラー氏から見た日本人の最も良いところは、「素直」と言われます。この「素直」という言葉は英語にないそうで、日本独自の概念だと言われます。
松下幸之助氏は「素直とは、真理と直結すること」と述べておられます。あなたは、「素直」をどのように定義なさいますか。あなたならではの素直の概念が今週も、豊かに活かされることは、何とすばらしいことでしょう。
イエス・キリストが天国で最も美しく、すばらしい有り様を「幼な子の心(マタイ18・3~4)」と言われました。神様があなたに、御言葉を通して、様々な状況を通して「こちらに歩め」と方向を示された時、「はい」と従って生きること。これもまた、素直の具体的な在り方の一つではないでしょうか。
日本人として、信仰者として、最もすばらしい素直な生き方が、今週も、あなたの歩みの中で芳しい香りとなり、豊かな音色となりますように。その時、あなたを通して、まわりの人々の心が潤い、この地上で天国を味わうのです。

  自分の再発見(1月10日)

 最近、日本近海で豊富な鉱物資源が見つかっています。日本では1970年代までに多くの鉱山が閉鎖され、現在は、銅や亜鉛、金、銀などの多くを輸入に頼っています。近海で採掘できるようになれば、長年言われていた「資源小国」のレッテル返上の可能性があります。
人生でも、長い間、消極的、否定的に訓練されていると、身近に祝福の宝が秘められていても気づかず、「私にはない」「私はできない」と信じて、宝を掘り出すことができなくなってしまいます。
私たちの教会の教育プログラムの一つに『わくわく自己発見クラス』があります。この学びでは、自分自身の特徴や賜物を、様々なチェックリストを用いて調べます。すると、薄々感じていた自分、あるいは、まったく気づかなかった自分を再発見します。
最も身近にいるあなた自身の持ち味を知り、それを大いに神様に用いていただきましょう。それがあなたの人生の目的です。
「わたしたちは神の作品であって、良い行いをするよう に、キリスト・イエスにあって造られたのである。神 は、わたしたちが、良い行いをして日を過ごすように と、あらかじめ備えて下さったのである。」(エペソ2・10)

  さ・か・な(1月17日)

 初代クリスチャンのシンボルは『魚(イクスース)』でした。それは「イエス・キリスト、神の子、救い主」のギリシャ語の頭文字を並べると「ΙΧΘΥΣ(魚)」になったからです。
今日の私たちにとっても、クリスチャンとは「さ・か・な」を生きること、と表現なさる方もおられるでしょう。
何度チャレンジしても上手くいかなかったり、時が経過してしまうと、つい「今さら」と億劫になりがちです。
しかし、「主が共におられる」という今年の標語聖句のようにみ言葉に支えられて生きる人は、「さ」を「か」に変え、「今から」と、未来に大きな希望をお持ちになります。
さらに、時の流れが「過去・現在・未来」であるならば、今、この時にすべてを集中する。すなわち、「か」を「な」に変えて、「今なら」と実践なさるでしょう。
2016年を充実した一年とするために、今、この時、この瞬間に、「今は恵みの時」(Ⅱコリント6・2)と、今週もしっかり実践してまいりましょう。

  苦しみを避ける秘訣(1月24日)

苦しいときは苦しむがよき候。
悲しきときは悲しむがよき候。
死ぬるときには、死ぬるがよき候。
これ苦節を避ける妙法にて候。

これは良寛の言葉です。「苦しいときは、苦しむが良い。悲しいときは悲しむが良い。……」と耳を疑う言葉が続きます。しかし、最後に「これは苦しみを避ける秘訣」と言い切っています。どういうことなのでしょうか。
「苦しみがあってはならない」という前提があると、「なぜ自分だけこんな目にあうのだ」と現実を受け入れられず、さらに苦しみが生まれます。結果、苦しみが二つになります。しかし、「人生には苦しみは付きもの」という前提で、「今は苦しむ時」と目の前の苦しみを受け入れると、苦しみは一つのままです。苦しみにあった時、目の前の苦しみ以上につらいのは、自分の心が作り出す「何でこんな事が……」という心理的苦しみなのかもしれません。
「苦しみも喜びのうち、それも人生」と一元で受け入れる時、心理的な苦しみから解放されます。
これ苦節を避ける妙法にて候。
「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。」(伝道の書3・1)

  神はどこにでもおられる(1月31日)

 昨年、世界で最も深い海底に到達できる、次世代の有人潜水調査船「しんかい12000」の構想案が示されました。現在の有人潜水調査船では、水深6500mが限度です。しかし新しい調査船では、世界最深のマリアナ海溝を超える水深の水圧にも耐えられる構造にするというものです。
世界では、最も深い海底に到達しようと、各国が凌ぎを削って開発を続けていますが、人がまだ到達していない深海にも、すでに神様がおられることを聖書は語っています。
「わたしは天にのぼっても、あなたはそこにおられます。わたしが陰府に床を設けても、あなたはそこにおられます。」(詩篇139・8)
何よりも、海の深さ以上に、まだまだ分からないのは人の心です。しかし、悩みや心の傷の深さで苦しんでいたとしても、神様は、あなたのそのただ中まで降りてくださり、共にいて、あなたのその心をいやし、助け、引き上げてくださる方です。
新しい年も、間もなく二月を迎えようとしています。どこまでもついて来てくださる方に今週も信頼し、一つ一つお任せしてまいりましょう。

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